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内容説明
Z世代を中心に、コスパならぬ「タイパ」(時間対効果)の追求が当たり前となった。時短とは異なり、「限られた時間でより多く」「手間をかけずに観た(経験した)状態になりたい」という欲求が特徴で、モノやコンテンツをコミュニケーションの“きっかけ”“手段”ととらえているという。背景にはサブスクの普及、動画のショート化などの環境変化と、「時間を無駄にしたくない」「いますぐ詳しく(=オタクに)なりたい」といった意識の変化がある。もはや純粋に消費を楽しむことはできないのか? 一見不合理なタイパ追求の現実を、気鋭の研究者がタイパよく論じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
72
著者は、オタクの消費欲求の源泉を研究しているニッセイ基礎研究所生活研究部研究員の廣瀬涼氏。「時間を無駄にしたくない」「いますぐ詳しくなりたい」といった消費者ニーズに呼応して、サブスクの普及や動画のショート化などの社会環境変化を背景に、Z世代を中心とした「タイパ」の追求について論じた一冊。モノやコンテンツをコミュニケーションのきっかけ・手段ととらえているのが特徴。もはや純粋に消費を楽しむことはできないのかと嘆きます。自分には関係ないと思いきや、タイガース戦の録画で相手の攻撃の時は1.5倍速で観てますね😅2024/01/19
あきぽん
47
スマホ・SNS・配信サービスの普及で膨大な情報を効率よく消費するために「コストパフォーマンス」のみならず「タイムパフォーマンス」が重視される時代になった。でもそれは、Z世代Z世代というけれど、クラスメイトについていくために流行のテレビやラジオや雑誌を追っかけてた時代と本質的に何も変わらないような気がする。本書の最後にあるように、あなたが好きなモノはあなたにしかわからないし、それはあなただけの価値になるよ。2024/06/15
よっち
31
コスパならぬ「タイパ」(時間対効果)を重視する価値観。なぜ異常なまでに時間に囚われるのか?一見不合理なタイパ追求の現実を論じる一冊。「限られた時間でより多く」「手間をかけずに観た、経験した状態になりたい」という欲求が特徴で、モノやコンテンツをコミュニケーションのきっかけや手段と捉えるタイパの発想。サブスクの普及や動画のショート化、不景気などの環境変化といった背景があって、時間を無駄にしたくない、今すぐ詳しくなりたいと極端な方向に向かいつつあるのは、何とも本末転倒な気もしましたが…考え方は人それぞれですね。2023/10/29
ぴえろ
29
タイパの定義付け。他者とのコミュニケーションとして手っ取り早く情報を得て、オタクになる。タイパそしてオタク専門家なのでにわかオタクには手厳しい。話のネタのためにひたすらコンテンツを”消費”し続けることは理解し難いが、夢中になれるものを見つけるための足掛かりとして効率よくコンテンツを試行するのは有りだと思う。2024/05/12
まゆまゆ
15
安さを前提にして満足度を高めようとする「コスパ」と時間短縮を求める「タイパ」は似て非なるものであることを紹介していく内容。SNSを中心に外部からの刺激によって求める消費に対してタイパは発生する。時短という単純な理由だけではなく、自分にとって本来は必要のない消費であるが必要に迫られて行動する際にも重視するという、一見合理性とは異なる動きを見せるのもタイパである、と。2023/12/07