内容説明
「やんちゃだった僕を初めて認めてくれた」。かまいたち・濱家さんがそう話すのは、小学校時代の恩師である久保敬先生のこと。常に生徒の良い所を褒め、伸ばそうとする姿を生徒はキャッチしていた。定年を迎えた久保先生と、大人になったかつての教え子を訪ね、「先生」の在り方を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
21
先日、地元で久保敬さんの講演会があり、その際、受付での関連書販売で購入。帯のかまいたち・濱家とのツーショットに猫背気味にはにかみながら写る久保さんの現役時代の子どもたちや保護者とのエピソードを読みながら、知り合いの先輩方の顔がちらほら浮かぶ読書時間でした。久保さんの現役時代の実践や言動の背景に、解放教育への誠実なコミットがあることもしっかり述べられており、その点でもなるほどと納得できる話でした。講演後に少し立ち話をさせてもらったのですが、著者の宮崎記者の書かれた通りのお人柄でした。2023/12/09
BECCHI
4
率直に思ったのは、久保先生の子どもたちや職員などに真摯に向き合い過ごしてきた教員人生がそれまでであってきた人たちの心に残り、応援し合う関係を作っておるのだなぁということだ。教師をしていると、間違えてしまったと自省の念に駆られることが少なくない。それで落ち込んでしまい、立ち直れなくなる人もいる。でも、真摯に向き合うしかないのだ。間違えたら間違えたと認め、次に向かうしかないのだ。そうやって傷つきながらも良い教育を目指して過ごしいていくことで、人がついてくるのだと思った。2023/12/16
Kyoko N
4
帯から、かまいたちの濱家さんと担任の先生の話かと思ったが、いやいや、この先生こそが、コロナの際に大阪の松井市長に直談判をした校長先生。子どもたち、保護者の厳しい状況を伝えた提言書は、当時大いに話題になったが、舞台裏が書かれていてよく分かった。ご自身の若かりし日の苦い思い出もさらけ出す姿、そして子どもたちにはいつも誠実。相手のことをわかった気になってはいないか振り返るために、クラスの子と話したかどうかを出席簿につけていたエピソードも。そのお人柄と、教員人生を読んだ後に書かれている提言書は胸を打つ。2023/12/14
sakase
4
良い先生です2023/12/11
こと
4
かまいたち濱家さんの、小学校の時の担任である、久保先生。コロナ禍で大阪市のトップダウンの政策に、一教員として、一校長として声を上げた先生。現場の声を訴えるその行動に、私も教員として学ばなければならない。常に生徒の目線を忘れずに、生徒の声を大切に、生徒の言葉の裏を考えて真に寄り添おうとする。そんな先生だからこそ、先生が好きだという生徒も多かったのではないでしょうか。 反省や後悔の箇所にも背筋が伸びました。常にベストの対応はできません。私も毎日反省ばかりです。ベストを目指して努力あるのみ。勉強になりました。2023/11/26