「批判」の政治理論 - ハーバーマスとホネットにおける批判の方法論

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「批判」の政治理論 - ハーバーマスとホネットにおける批判の方法論

  • 著者名:成田大起
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  • 勁草書房(2023/10発売)
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  • ISBN:9784326303304

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内容説明

ハーバーマスとホネットは批判を介して理論と実践がいかに関わるのか、理論家と当事者の関係を論じる「批判の方法」を探求してきた。本書は両者の主著を読み解きその方法論を「再構成的批判」として析出する。またロールズ、ウォルツァー、フレイザーらとの論争を検討し、規範的政治理論の文脈で批判理論の独自性を明らかにする。

目次

序 章 批判的な政治理論と批判の方法論──再構成的批判とは何か
 1 問題関心と主張
 2 本書の研究史上の位置づけ
 3 再構成的批判とは何か
 4 本書の射程
 5 本書の構成

第I部 ハーバーマスとホネットの批判理論

第一章 ハーバーマスによる再構成的批判の確立──認識論から言語論へ
 1 六〇年代の思想形成と『認識と関心』における再構成的批判
 2 「言語論的転回」と『コミュニケーション的行為の理論』における再構成的批判

第二章 ハーバーマスによる再構成的批判の展開──討議理論の形成から宗教論まで
 1 『事実性と妥当』における再構成的批判
 2 『事実性と妥当』以後の論点──理論と実践の関係再び

第三章 ホネットによる再構成的批判の確立──承認論と社会的病理論
 1 規範的社会変革の理論としての承認論
 2 社会的病理の諸理論──物象化と新自由主義のイデオロギー的承認

第四章 ホネットによる再構成的批判の展開──『自由の権利』を中心に
 1 『自由の権利』の背景
 2 承認をめぐる規範の発展史
 3 『自由の権利』における社会的病理論──ホネットの「植民地化」論

第II部 政治理論の中のハーバーマスとホネット

第五章 批判の様々な方法論──正当化可能性と実現可能性という論争軸
 1 批判の方法論と政治理論方法論の接合
 2 コーエンとフォアストの外在的批判
 3 ウォルツァーとローティの文脈主義的批判
 4 ロールズの構成主義的批判

第六章 再構成的批判に対する異論の検討
 1 アーペルとアレンによる異論──正当化の意味と射程をめぐって
 2 ハーバーマスからの応答
 3 ホネットからの応答

第七章 ハーバーマス-ロールズ論争
 1 ハーバーマスによるロールズ批判とその誤読
 2 ロールズによるハーバーマス批判とその誤読
 3 論争がハーバーマスに与えた影響

第八章 ホネット-フレイザー論争──「再分配」と「承認」の論じ方
 1 フレイザーの問題提起とホネットによる応答
 2 論争後の共闘可能性──社会主義の理念をめぐって

終 章 ハーバーマスとホネットの相違および今後の課題
 1 感情と倫理の位置づけ
 2 社会進化ないし進歩の位置づけ
 3 今後の課題

あとがき
参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

5
〈理論家が社会を批判するって何目線なの。そしてどうして別の文化に対しても口出しできると思うのか〉などとつい考える人に、細かな論点を張り合わせることで、批判を行為として全体として浮かび上がらせてくれる。特権的な行為を選別し(討議ないし承認)、規範性を取りだし、歴史の普遍的な法則性にコミットする議論を背景とすることで、機能不全として社会的病理を論じ、その帰結を市民に受け入れられるかどうかで測るという感じ。統計を使わずに社会を語るときに引き受けないといけない重い負荷の内実を解像度高く想像させてくれる。2024/02/06

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