触法精神障害者 医療観察法をめぐって

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触法精神障害者 医療観察法をめぐって

  • 著者名:里中高志【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 中央公論新社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784120056963

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内容説明

2001年の池田小事件をきっかけに、05年に施行された「医療観察法」。この法律では、殺人、傷害、放火、強盗、強制性交、強制わいせつを行い、刑法第三九条の規定によって、心神喪失者または心神耗弱者とされ、無罪、あるいは執行猶予、不起訴、起訴猶予になった人を、「加害者」という代わりに「対象者」とする。対象者は精神科病院での鑑定入院を経て、地方裁判所で医療観察法の処遇を受けるかどうかの審判を受ける。医療観察法が適用されるとなった場合、医療観察法病棟のような指定入院医療機関への入院か、指定通院医療機関への通院が決定する。
全国に35施設ある医療観察法病棟では、どのような治療が行われているのか? 対象者はどのような過程を経て、社会に復帰するのか? 病棟内を取材し、現場で働く医療者、退院者、被害者遺族、法律に反対する人など、さまざまな立場の人を訪ね、制度のあるべき姿を考えるルポルタージュ。

【目次より】
第一章 「対象者」
第二章 医療観察法病棟
第三章 医療観察法の誕生
第四章 医療観察法病棟の内側から
第五章 医療観察法病棟立ち上げのエキスパート
第六章 医療観察法に異を唱える人たち
第七章 元対象者が感じる負の刻印
第八章 医療観察法反対運動の源流としての社会運動
第九章 被害者の悲痛な思い
第十章 医療観察法と社会復帰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チェアー

8
医療観察法と言う法律がどのような立て付けになっていて、どういう意味があるのかと言うことを初めて知った。障害者の社会復帰をどう図るのかを具体的に考えたとき、医療観察法を単に保安処分と同じものといって切り捨てるわけにはいかないと感じる。2023/10/31

てくてく

5
医療観察法制定前後の事情を知らなかった著者が、精神障害者の自立支援施設の職員が施設利用者に刺殺された39条関連事件を契機に、医療観察法病棟、医療観察法適用者、医療観察法に反対する立場の人、そして上記被害者の父親などにインタビューしたルポダージュ。同法施行から一定期間が過ぎると確かに報道などが減って関心を持たない人が大半になるのだなと思ったりした。法律面は知っていることが多かったが、病棟や医師などのインタビューには学ぶところが多かった。2024/02/22

花梨

4
心神喪失などで、重大な「対象行為」を行なった、対象者はその後どうなるのか。つまり無罪判決を受け、その後の処遇を追った本となる。とてもバランスがよく、また読みやすく、問題点や良いところなどの指摘があり、勉強になった。一番しっくりくる主張は井原先生の主張だろう。権力闘争の道具にされては問題の本質が見えてこないと思うし、時代にそぐわないとも思う。センシティブな話になるので、当事者本人の声を直接聞くことはできないのが課題だろう。2023/12/09

Akio Kudo

2
★★★★★ 読んでいて、嫌な気分になる。だが、それほど触法精神障害者の支援は必要なことだが、誰もが目をそらす2023/10/21

JM

1
デリケートでプライバシーが絡む問題であるが故に全貌が分かりづらい、医療観察法。これを当事者や医療者、被害者、弁護士へのインタビューを通じて明らかにしようという内容の著書である。 我々の生きる社会で精神障害者の人々の居場所を見つけるのは困難である。触法云々の前にそれが問題の本質であると感じた。2023/11/03

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