色から読みとく絵画――画家たちのアートセラピー

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

色から読みとく絵画――画家たちのアートセラピー

  • 著者名:末永蒼生【著】/江崎泰子【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 亜紀書房(2023/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784750518077

ファイル: /

内容説明

──「なぜ、長谷川等伯の絵からは色が消えたのか」
──「なぜ、ユトリロは質感のある白を描いたのか」

傷ついた心を回復するプロセスが、作品の色には宿っている。
色彩心理の研究とアートセラピーに長年取り組んできた著者による、絵画との深い対話。


---------

〈 一枚の絵が生きた人間の物語としてあらわれる 〉

生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた──。
色彩心理の研究をもとに長年アートセラピーに取り組み、絵は人の心の表現だと考える著者が作品を深く味わう見方をつづる。

---------

 ■世間に認められない苦悩を乗り越え、奄美を描き続けた田中一村
 ■偉大な父という呪縛を抱えながら、美しい陰影を描いた葛飾応為……etc.

作品に込められた、一人の人間の苦しみ、孤独、病、そして生の歓びに迫る18篇。

---------

【目次】
 ■はじめに

1.色彩に見る心の変遷[ニキ・ド・サンファルと上村松園]
 ■怒りから生きる喜びへ、色が物語る心の救済──ニキ・ド・サンファル
 ■母から娘へと受け継がれてきた色──上村松園

2.色が消えるとき[長谷川等伯とモーリス・ユトリロ]
 ■『松林図 風』は、なぜモノトーンで描かれたのか──長谷川等伯
 ■画家がこだわり続けたタッチの謎──ユトリロ

3.水彩で心安らいだ文豪たち[夏目漱石とヘルマン・ヘッセ]
 ■「私は不愉快だから絵をかく」 ──夏目漱石
 ■「筆や刷毛を使っての創造は私にとってワインなのです」──ヘルマン・ヘッセ

4.陰影表現に見る、人生の光と影[葛飾応為とエドヴァルド・ムンク]
 ■偉大な父をもった幸と不幸が生んだ、美しき陰影──葛飾応為
 ■ユング心理学と『ゲド戦記』から探るムンクの〝影〟──エドヴァルト ・ムンク

5.自画像ー画家の深層を映す鏡ー[フリーダ・カーロと石田徹也]
 ■自画像に映し出された身体の痛みと生きる情熱──フリーダ・カーロ
 ■私であり、あなたでもある自画像──石田徹也

6.怖いけど見たい、ダークサイドの美[月岡芳年とフランシス・ベイコン]
 ■闇に生きた、最後の浮世絵師──月岡芳年
 ■身体感覚に溢れた叫び、死、セクシュアリティ──フランシス・ベイコン

7.病から生まれた新たな手法[高村智恵子とアンリ・マティス]
 ■精神病院の一室で密かに作られた美しき切り紙絵──高村智恵子
 ■老いと病がもたらした〝色と形のダンス〟──アンリ・マティス

8.孤独に支えられた独創性[田中一村とジョージア・オキーフ]
 ■最果ての島で孤高の人生を送った画家の、 究極の幸せとは──田中一村
 ■ニューヨークから砂漠の荒野へ。 自立の精神を生きた九八年の人生──ジョージア・オキーフ

9.囚われを超えて、空を描く[イブ・クラインと仙厓]
 ■自我の枠を超え、 無限の精神空間を生きた〝青のアーティスト〟──イブ・クライン
 ■放浪と禅修行から生まれた 洒脱でユーモラスな画はまるで現代アート?──禅僧・仙厓

〈 COLUMN 〉
 ■心の歴史を色彩で振り返る「カラーヒストリー」
 ■絵と長寿の関係、あるいは高齢者のためのアートセラピー
 ■ストレスフルな現代にこそ必要な、絵による気分転換
 ■内なる〝光と影〟を映し出すぬり絵セラピー
 ■子どもの絵から大人のセラピー表現まで、自画像いろいろ
 ■トラウマを吐き出すセカンドステップセラピー
 ■精神疾患の治療の一環として始まった芸術療法
 ■環境の色彩とアートセラピー 子どもたちの自由な創造力はアートの原点

■おわりに
■参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

m

2
画家たちの用いた色でその深層心理を読み解く。珍しい視点とセレクトで興味深く読了。上村松園が女性だと初めて知った。2024/02/10

kaz

2
アートセラピーについては実はまだよく理解できていないのだが、画家の波乱に満ちた生涯と作品との関係が興味深い。図書館の内容紹介は『等伯の絵からなぜ色が消えたのか? ユトリロはなぜ質感のある白を描いたのか? 傷ついた心を回復するプロセスが、作品の色には宿っている。色彩心理研究に長年取り組んできた著者らが、作品を深く味わう見方を解説』。 2023/11/19

あまえび

0
古今東西様々な画家のエピソードが読めて面白かった。葛飾応為さんと月岡芳年さん好きだなぁ。興味が湧いた画家の絵はネットでもっと調べてみてみようと思う。2024/02/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21485745
  • ご注意事項