半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか?

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半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか?

  • ISBN:9784296001590

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内容説明

TSMCはどうやってインテル、サムスン電子を追い抜き世界一になれたのか?

「護国(国を守る)」のためには、現代の先進国が日常生活や産業、国防などで不可欠な技術を保有していることが欠かせない。(中略)もしそのサプライチェーンが途絶えたら、日常生活や産業に大きな影響が及ぶだけでなく、大国の国防や軍事のための高度な武器が機能しなくなるかもしれない。大国は重要なリソースが途切れないようにするため、当然、その保護に力を入れる。この観点から見ると、TSMCの状況は「護国」の条件に合致している。(中略)30年以上にわたり磨き上げた高い生産技術を有する製造チームが、あらゆる分野で必要とされる半導体を全世界に供給する。そう考えると、TSMCは世界で唯一無二の存在であり、「神山」といえるのではないだろうか。(本書『序文』より)
ここ数年で、TSMC(台湾積体電路製造)は、世界各国の政府や企業、メディアの注目を集めるようになった。その一挙一動は、世界の主要産業のサプライチェーンを安定的に運営できるかどうかにも影響を及ぼす。本書では、TSMCの強みはどこか、なぜそれほど強いのか、競合他社がなぜこの先10年間でTSMCに勝つことが難しいのか、その理由を明らかにする。

目次

序文
日本の読者の皆さんへ
第1章 護国神山、TSMC
第2章 TSMC誕生の歴史
第3章 モリス・チャンとは何者か
第4章 TSMCの七つの競争優位性
第5章 TSMCの技術開発秘話
第6章 今後10年を展望する
解説 経済安全保障時代にTSMCは台湾の「護国神山」になれるか?
   鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はやたろう

10
世界の半導体を牽引する台湾のTSMCの成長、発展を書いた本。創業者モリス・チャンの先見性や台湾政府の政策が今をつくっている。かつてのライバル、インテルやサムスンと違い常に投資を続けてきたこと、巨大サプライチェーンと連携して、ファウンドリーに特化した事業モデルとしたことが成功のキー。しかし、台湾に集中する半導体ビジネスや国内におけるTSMCの影響力の肥大化が環境的、地政学的リスクをはらむこととなっている。この先数十年は状況が大きく変わる事はないと考えられるが、さらにその先は不透明だし激変することもあり得る。2025/07/25

まる@珈琲読書

8
★★★★★ ■新幹線移動用に東京駅で購入したが面白い。国策として熊本に誘致したことで国内知名度が上がったTSMC。半導体のEMSみたいなもんで自社製品もない会社でしょ?と下に見ていたが勘違いだった。無知を恥じる。TSMCがなければ、アップルもAMDもエヌビディアも製品をつくれない。垂直統合型ではなく自社製品を持たないからこそメーカー(もはや設計企業か)から製造を受託でき、製造に特化しているから技術力(歩留やL/T、高精度露光)が高まる。なるほど台湾有事を想定すれば米国はリスクヘッジをせざるを得ないなと。2023/10/01

おくてつ

4
日経BPのサイトで紹介されていて気になったので、図書館で借りてきた本。 TSMCのことを書いている本だけど、さしずめ「電子立国台湾の自叙伝」って感じ。 台湾式のベースがあるから成功しているわけで、熊本にコピー作ったって、無理矢理ラピダス作ったってうまくいかないと思うけどな。 学びに終わりはない。誠実、コミットメント、イノベーション、顧客の信頼。 以前は担当業務ズバリの内容だったけど、今はちょっと離れているから引いた目でも見ることができた。2023/12/26

takao

3
ふむ2024/11/02

ゼロ投資大学

3
半導体ビジネスの覇者となったTSMCが世界一となった要因を明らかにしていく。垂直統合型で半導体を一括製造していた従来の日本企業は淘汰され、垂直分業型で受託製造に特化したTSMCは世界中の企業から支持され躍進した。10nm以下の微細な半導体を製造するには、優秀な人材と技術が欠かせない。TSMCは優秀な博士号取得者等を採用し続け、莫大な設備投資を絶え間なく続けた。2023/11/24

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