集英社学芸単行本<br> レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換(集英社シリーズ・コモン)

個数:1
紙書籍版価格
¥3,080
  • 電子書籍
  • Reader

集英社学芸単行本
レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換(集英社シリーズ・コモン)

  • ISBN:9784087370027

ファイル: /

内容説明

再野生化する地球で、人類が生き抜くためには、経済・政治・社会の大転換が必要だ。
地球を人類に適応させる「進歩の時代」から人類が地球に抵抗し、自然界と共存する「レジリエンスの時代」へ。
世界的な経済社会理論家が描く、危機脱出のための処方箋!

【絶賛!】
「人新世の危機」を解決する、コモン型経済のリアルな姿がここに。
――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』)


【自然の復讐を乗り越える、「共生」の経済システム】
これまでの「進歩の時代」において人類は、地球の恵みを収奪し、商品化し、消費を最大にして生きてきた。だが、無限の成長と超効率化を絶対視したせいで、環境危機と地球温暖化が発生。洪水、干ばつ、熱波、山火事、台風が、生態系とインフラを破壊し、人類の生存を脅かしている。
この危機を脱するために必要なのは、「レジリエンスの時代」への大転換。地球を人類に適応させるのではなく、人類を地球に適応させるのだ。自然と共感的に関わるためには、経済・政治・社会の見直しが必須。
科学技術にも精通した世界的な経済社会理論家が、未来への処方箋を示す!

【目次】
第1部 効率vs.エントロピー ――近代の弁証法
第1章 マスクと人工呼吸器とトイレットペーパー ――適応力は効率に優る
第2章 テイラー主義と熱力学の法則
第3章 現実の世界 ――自然界の資本
第2部 地球の財産化と労働者の貧困化
第4章 大転換 ――時間と空間の地球規模の囲い込み
第5章 究極の強奪 ――地球のさまざまな圏と遺伝子プールと電磁スペクトルの商品化
第6章 資本主義の矛盾 ――効率性の向上と労働者の減少と消費者債務の増加
第3部 私たちはどのようにしてここに至ったか ――地球上の進化を考え直す
第7章 生態学的自己 ――私たちの一人ひとりが散逸のパターン
第8章 新たな起源の物語 ――生命を同期させ、形作るのを手伝う生物時計と電磁場
第9章 科学的方法を超えて ――複雑で適応的な社会・生態系をモデル化する
第4部 「レジリエンスの時代」 ――「工業の時代」の終焉
第10章 レジリエンス革命のインフラ
第11章 バイオリージョン(生命地域)統治の台頭
第12章 代議制民主政治が分散型ピア政治に道を譲る
第13章 生命愛(バイオフィリア)意識の高まり

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はまななゆみ

6
人類は自然の一部であり動的に絡み合っている。自然をコントールするなんて発想はとんでもなく、結果は気候変動含めた破滅の道に。意識を変えなければならないと改めて感じました。2024/01/08

Hiroo Shimoda

5
資本主義・経済学と熱力学・エントロピーの観点が面白い。外部不経済や環境破壊がエラーではなく必然であると実にクリアーにしてくれる2024/03/08

古民家でスローライフ

2
過去の著作である『限界費用ゼロ社会』が日本でも話題になった著者による、現代の効率化を極端に求めすぎた結果、起こりつつある危機を様々な視点から分析した一冊。ここ数年、資本主義の問題を指摘する論調は増えているが、その一番の要因は、効率化の結果、社会から緩衝地帯がなくなり、危機に対して脆弱になっていることをわかりやすく指摘している。気候変動や政治的なリスクが増す中、しなやかに乗り越える力が重要であり、それには、今の社会に必要な緩衝地帯を設けて、余裕を持って対応できる状態を維持していくことの大切さが理解できる2025/05/20

エジー@中小企業診断士

2
「工業・進歩の時代」から「レジリエンスの時代」へ。複雑適応的社会・生態系アプローチ→各部分の特徴から系の属性へ、物体から関係へ、閉鎖系から開放系へ、複雑さの測定から把握と評価へ。通信とエネルギーのインターネットは移動・ロジスティック・インターネットと一体化しレジリエンス革命のインフラとなる。地球資源の収奪と消費に向けられた産業労働力は生態系の監視と保全・管理に重点化する=バイオリージョン統治の到来。代議制民主政治は分散型ピア政治に。バイオフィリア意識が自然界との一体感を取り戻す。「我参加す、故に我あり」。2024/05/17

okadaisuk8

2
やや難物だったが、読む価値は大いにある。近代の効率最重要視・成長一辺倒の見方に疑問を投げかける。そこまではまあ、分かりやすいが、さらに時間や人類を(当然)含む生命体についてのこれまでの理解を大きく覆していく下りは読むのは骨が折れるが、エキサイティングでもある。科学的な話も多いが、まあ文系の私でも何とか付いていくことはできるレベル…だったと思います。人間は死を迎え、しかもそれを知っているからこそ「共感」することができるという指摘もなるほどと思わされた。2023/11/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21524556
  • ご注意事項

最近チェックした商品