内容説明
累計50万部突破『代償』の著者渾身。角川文庫75周年記念、文庫書き下ろし!
浪人生の堀部一平は、バイト先で倒れた葛城をに付き添い、自宅アパートを訪れた。
そこでは、晴子、夏樹、多恵という年代もバラバラな女性3人と小学生の冬馬が、共同生活を送っていた。
他人同士の生活を奇妙に感じた一平は冬馬から、女性3人ともに前科があると聞く。
一方、政治家の息子・吉井恭一は、執拗に送られてくる、過去を断罪する写真に苦悩していた。
身を寄せ合う晴子たちの目的、そして水面下で蠢く企ての行方は――。
暗い過去への復讐を描いた、心震わす衝撃のサスペンスミステリ!
「信頼、裏切り、後悔、敬愛、憎悪、憧れ、友情、希望。
そんなあれこれをぎっしり詰め込みました」
――伊岡瞬
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bunmei
221
文庫本書き下ろし作品。井岡作品らしい、人の闇に潜む絶対的な力によって、絶望的で存在意義さえも見いだせない立場の者と、それに何とか抗いながらも正義を交錯させてくる者との、重苦しいサスペンス・ミステリー。過去のトラウマを引きずりながらも、その復讐を果たそうとする執念には、心震わされる。そして、怪しい人物の登場によってミスリードしながら、最後に明かされるサプライズな企ては、良い意味で、読者をも欺く展開だった。浪人生・一平と知り合った3人の女性が仕掛けた、悪の化身に対する企てが、意外なラストシーンを迎える。2023/11/05
イアン
190
★★★★★★☆☆☆☆文庫書き下ろしとなる伊岡瞬の長編サスペンス。浪人生の一平は、バイト先で倒れた老人を送るため訪れたアパートで奇妙な女性3人と遭遇する。一方、議員の息子・恭一の元にはある「脅迫状」が届き…。訳アリな共同生活を送る彼女たちの目的とは何なのか。誰が味方で誰が敵なのかも分からぬまま、一平の心は揺れ動く。そこに一定の緊張感はあるものの、敵側の人間が小物に思えてしまい『代償』や『本性』のようなカタルシスは感じられなかった。いつまでも特別招待券に未練がましい一平は、もはや安兵衛ではなくただの助兵衛だ。2024/12/15
いつでも母さん
177
こっちの話とあっちの話がどこかで繋がるのだろうか・・とソワソワしながら、ページを捲る手が加速する。えぇい、あんなヤツ罰が当たれ!と思ったのは私だけではないはずだ。ちょっと上手く行きすぎの感じは否めないのが正直なところ。今作は伊岡さんにしては軟らかい感じがしたが、こんなラストにホッとするのも正直な読後感。2023/10/11
のり
134
大学生の「一平」は、バイト先での初老の同僚の介抱の為にアパートヘ。そこは朽ちかけたアパートだったが、他に3人の女性と子供が1人いた。不思議な組み合わせだが、一平と彼女達の距離感が縮まっていく。複雑な事情が絡み、犯罪の匂いもある。その対象になるのは政治家の息子だが、表に出ない悪事が多々ある。犯罪者に対する犯罪。協力しようとする一平だが、彼女達は先を読む事に長けていた。どう決着がつくのか?落とし所に納得。2023/12/11
kotetsupatapata
132
星★★★☆☆ “劇団ひこばえ一座”の復讐劇に巻き込まれた浪人生の一平と、ターゲットとなった議員の息子恭一の語りから物語が進み、小出しに過去や壮大な計画が明かされ、さあどう対決していくのかと楽しみにしていましたが、案外あっさりと解決。500頁近かった割にはあまり印象は残らずでした。 タイトルの「残像」は、過去の辛い出来事から逃れようと復讐を計画する冬馬や晴子達と、同じような思いをさせるが為に弱者を虐めていく恭一の視点の事かな。2024/11/19
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