内容説明
ともに新聞記者時代に美術を担当し、その後作家へと転身した井上と司馬。美術との関わりが作家活動に何をもたらしたのかを探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
106
「著者の名前も知らず、タイトルに惹かれて手にしたら大正解だった!」というのが本好きにとって最高の幸せ。本書はそんな一冊。ともに美術・宗教担当の新聞記者として社会に出た井上靖さんと司馬遼太郎さん。美に対する鋭い感性と愛情を持つ二人のエピソードの数々が、たまらなく魅力的。井上さんが愛する富岡鉄斎、河井寛次郎、ゴヤ。司馬さん推しの八大山人、八木一夫、須田剋太、ゴッホ。二人で共有する須田国太郎、上村松園、三岸節子。自らも美学美術史を修められた著者の深い考察が、作家と美術との関わりを見事に浮き彫りにする。いい本だ。2024/02/23
kawa
31
両氏をリスペクトしている。井上氏も司馬氏と同じ新聞記者時代に美術・宗教担当だったことは知らなかった。「しろばんば」等の純情無垢な微笑ましくも共感高い青春小説から、後に文学界の重鎮リーダーとして活躍する秘密が知れた思い。本書は、お二人の美術・宗教論説を通して膨大な秀逸作品群を分析するなどの野心的試み。例えば、司馬先生のゴッホの絵についての「人物が働く~心と動作と悲しみで~そんな精神を絵画した~(それは)稀有な文学にほかならなかった」はとても刺激的。取上げられる芸術家の一覧はコメントで。2024/02/12
ますずし
5
司馬遼太郎ファンとしては読まねばと読み始めたが、なかなか手ごわいぞ。もう少し美術を知っていないと、この作品の本当の面白さには、到達できないかもしれない。しかし、エッセンスは感じられたので良しとします。2024/02/20
ui
3
「井上が感電したように憑かれたのはゴヤのなした仕事であり、司馬が惹かれたのはゴッホという人間だった」(114)と著者は分析する。処世的でありながらも本質を突く井上、独自のフレームで物事を定義する司馬のそれぞれに通ずる部分が多少なりともあるのではなかろうかと読んだ。2024/10/15
桐葉
2
どちらの作家も親しんできたので興味深く読んだ。絵画,陶器,書など美術記者として鍛えられた独自の目があると思った。三岸節子を書いた司馬の話も懐かしく読んだ。著者の追求もよかった。2025/08/19
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