山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学

  • 著者名:森山徹
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 山と溪谷社(2023/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635049702

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内容説明

T字迷路、行き止まり実験、水包囲実験、綱引き……
ユニークな実験の中でダンゴムシが取る行動は、この身近で小さな生物に「心」があることを示唆する。

ダンゴムシへのさまざまな実験を通して、「心とは何か」の問いの答えに迫る科学書の名作がヤマケイ文庫化。


■内容
はじめに

第1章 心とは何か―「心の定義」を提案する
心とは言葉である/日常的な心の概念/内なるわたくし/心の気配/隠れた活動部位/心の実体とその遍在性/心と脳/感情としての心/器官としての心/「裏」としての心/
魔の二歳児/心の成長/魔の出来事/心は現前するか/思いもかけない大泣き/未知の状況/心の現前/空は緑色/オレンジの絵を見ながらメロンジュースを飲む実験/
甘いみそ汁の味がする水/抑制と潜在/石の心/心を見いだす流儀/ジュラルミン板の心と職人の流儀

第2章 ダンゴムシの実験
会社で学んだこと/ダンゴムシとの出会い/ダンゴムシの生態と分類/ダンゴムシの体と生活/あなどれない飼育/交替性転向/交替性転向の意味と仕組み/
特定行動としての交替性転向/未知の状況としての多重T字迷路実験/変則転向の発現/行き止まり実験/壁登り行動の発現/水包囲実験/泳ぐダンゴムシ/
壁登り行動、再び/ 意味深長なパターンを見つける/「ジップの法則」と予想外の行動/アリも泳ぐ/ダンゴムシで世界へ/勇気と確信/何とかなるさ/
北の大地でダンゴムシ/環状通路実験/障害物へ乗り上がる/壁境界群の行動/水境界群の行動/ダンゴムシの自律性/障害物を伝う行動/道具使用の萌芽――ダンゴムシの知能/
ダンゴムシの綱引き/アンテナにチューブ/弓なりのアンテナ/チューブの杖で、距離を探る/丸くなるのは反射的、元に戻るのは自律的/ダンゴムシの心、再考

第3章 ダンゴムシ実験の動物行動学的意味
心の研究と動物行動学/動物行動学における四つの「なぜ」/擬人化/動機づけ/定型的活動パターンと動物の心/研究者と動物の心/葛藤行動と動物の心/「心の科学」という遺産

第4章 「心の科学」の新展開
心とは何であったか/知能の遍在性/タコとの出会い/タコの分類と生態/エサをせがむタコ/迷路でのタコの行動/予想外の「歩き」の発現/タコの問題解決/
ミナミコメツキガニとの出会い/ミナミコメツキガニの分類と生態/予想外の迷走者と小集団/ミナミコメツキガニは社会を作るか/待つ科学/結び――心の科学と社会

あとがき
文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

流石全次郎

11
心の存在の証明をするため、ダンゴムシの行動、追跡、実験、記録を行う。哲学的で難しいけれど、現在の行動の中にも抑え込まれた欲求は常に潜んでいる。本能に基づいて歩行に夢中になってる様にみえるダンゴムシも、個体によっては歩き続けて異変を察知すると通常ではみられない壁を登ったり、泳ぎ始めたりする個体もみられてくる。その行動が潜在的な行動であり、心であるという記録。2025/04/12

tolucky1962

8
抑制・隠された行動が心となる。ダンゴムシも未知状況で抑制解除し心・予想外行動が表出する。危険打破に効果不明の新行動であがく。根拠・心に基づき抑制行動が自律選択される。葛藤でも同様。ある行動は道具を使い高頻度になり獲得行動・創発となり世代を経て固定する。知能は大脳のある動物のみではなく偏在する。動物行動の機構・機能・発達・進化について問うとき,擬人化しがちだが,刺激と行動の機械的連鎖の結果に過ぎない場合が多々ある。鍵刺激があったとき定型的活動がされるか否かは内/外的要因によって変化す『要求』で変わる。2025/04/27

buchi

7
電子図書館本斜め読み。昆虫図鑑を借りるくらいの軽い感じで借りてしまったけど、かなり真面目な本でした。『心』って何を指すんでしょうね。僕的には心の定義が今ひとつ釈然としなくてモヤモヤしましたけど、ダンゴムシにも石にも心があるという見方はアリです。最終的にはそれを見い出す人間次第ということでしょうか。神様同様、人間が生み出したモノかも知れません。ロボット研究者によっては人間も詰まるところ脳も電気信号で動いていて機械と変わらない。本当に心なんて存在するの?ということらしいです。2024/12/20

たつや

5
タイトルで借りてみた。とても面白かったです。研究者の根気強い観察に敬服する。ダンゴムシはいても無視する対象なのに、研究の対象にするあたりも凄い。こういう人がいるから便利な物が開発されるんでしょうね。2023/12/14

faqa

3
ほとんど生物学蘊蓄本だと思っていたので最初の1/4は哲学的な話ばかりな事に肩透かしされたけど、そのリードは後の3/4全般にバランス良く関わっていて読んでいて気持ちが良かったです。結果的にもタイトル通りの内容でした。実験者は被検対象に最小限の働きかけをして後は相手の心の中にある普段は表出されない部分が言動になるのをひたすら待つ苦しみと、相手が普段はしなくて自身でも予想外である行動をする生みの苦しみを、共有させるのが「待つ科学」とするのは心理カウンセリングや子育てにも大いに共通します。2025/04/04

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