イタリア・ユダヤ人の風景

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イタリア・ユダヤ人の風景

  • 著者名:河島英昭
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 岩波書店(2023/09発売)
  • ポイント 36pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000221450

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内容説明

第2次大戦下のイタリア.ファシズムとナチズムが交錯する都市の片隅で,戦火とは異なる暴力が多くの命を奪おうとしていた.どんな運命がイタリアのユダヤ人たちを待ちうけ,何が彼らの命運を分けたのか.苦難に生き,闘い,斃れた彼らの声を沈黙する街路から聞き取るために,ローマ,ヴェネツィア,トリエステ,フェッラーラを訪ねる.

目次

プロローグ 旅の始まり
第1章 戦線へのピクニック
1 ふたりの逃避行
2 一九四三年一〇月一六日
3 真実への意志
4 ローマの南、ナーポリの北
第2章 ローマ、二〇〇一年一〇月一六日
1 ゲットーの内側へ
2 ローマの惨劇
3 反ファシズムの闘士たち
4 脱獄
5 スパイ
第3章 無防備都市 ローマ
1 ラゼッラ街の襲撃
2 フォッセ・アルデアティーネの虐殺
3 報復の名の下に
第4章 島のゲットー ヴェネツィア
1 ローマ発ヴェネツィア行
2 水に囲まれたゲットー
3 最後の列車
第5章 丘と港の街で トリエステ
1 鉄路の先に
2 消されたゲットー
3 商都の文学者たち
第6章 愛と憎しみのフェッラーラ
1 ポー・デルタの城郭都市
2 一九四三年の長い夜
3 マッツィーニ街の墓碑
エピローグ ふたたびローマへ
あとがき
主要参考文献
関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぞしま

16
ローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェッラーラのゲットーを巡る、河島先生入魂の一冊。 素晴らしい。 個人的にとても重要な読書体験となった。 レオーネの死に際して詠われたナタリアの詩の素晴らしさ。人は普通、愛する者の死の眼前で惚けてしまうように思われるが、彼女の作家的な覚醒感が哀惜の言葉を陶冶しており、それがより一層の哀しみを表現することに成功しているように思われた。河島先生の解説も素晴らしい。 特に序盤のローマは読み応えあり。 本書を携えてイタリアを旅したいと思う。2019/03/18

秋良

12
まあまあ。イタリア各都市のゲットーの成立や、ナチス・ドイツに迫害された頃の様子、ユダヤ系文学者のエピソードなどを紹介する。悲惨な末路は共通しているものの、ポーランドとは少し傾向が違う気がする。街の説明も詳しいので、写真が載ってないのが惜しい。にしてもディアスポラから何千年と経っても独自の文化、言語、結びつきを保ち続けるのが凄い。2020/04/26

micamidica

8
端的に言うと、2001年秋にローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェラーラを訪れた道のりを軸に、それぞれのまちのゲットーの成り立ち、顛末を記した作品。NY同時多発テロ後の緊張感や、著者の往年のエピソードなども入り混じり、まとまりの悪さは若干あったけれども、とても勉強になり読みごたえのあるものでした。フェラーラを訪れたときにはゲットーがあったことすらわかっていなかったことが悔やまれます。またこの本を道しるべにイタリアを訪れたいと思いました。2019/04/19

Mana

2
わたしたちのすべての昨日(ナタリア・ギンズブルグ)の巻末の訳者あとがきで出てきたので図書館で借りてみた。ギンズブルグのエピソードは少しだったけど、本書自体がなかなか面白かった。2016/01/26

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