係り結びの研究

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係り結びの研究

  • 著者名:大野晋
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 岩波書店(2023/09発売)
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  • ISBN:9784000028059

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内容説明

古文特有の例外的語法とされてきた係り結びの背後には日本語の「文」の作り方の根底的構造が隠れていたこと,それは現代語のハとガの対立に連続するという創見を明快に説き明かす.古文教師・研究者・学生必読の書.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

序章
一 これまでの重要な研究
二 基本的視点と研究の方法
三 係り結びの構造(一)──対立的二系列
四 係り結びの構造(二)──上下の二類
第一章 二系列・二類の区別
一 二系列の区別
二 上下二類の区別
第二章 ハとモ
一 基本的用法
二 題目の提示、話の場の設定
三 用法の多様な展開
1 テハとテモ
2 クハとクモ──「再審」の機構
3 動詞の連用形を承けるハとモ
4 疑問詞を承けるハ
5 併立肯定のモ
6 文末にあるハとモ
四 ズハの解釈
第三章 コソ(付シ)
一 奈良時代の已然形の機能──順接と逆接
二 「コソ─已然形」の呼応。ド型・ノニ型
三 単純な強調への展開
1 已然形の機能の弱まり
2 「コソ─形容詞連体形」の呼応
3 シコソ──単純な強調
四 古今集以後のコソ
五 宇津保物語の成立論とコソ
六 源氏物語の成立論とコソ
七 コソとコソハ
八 鎌倉・室町時代のコソ
九 付説(一)──シについて
一〇 付説(二)──シモについて
1 奈良時代のシモ
2 平安時代のシモ
第四章 ゾとナム
一 ゾの係り結びの成立
1 ゾの清濁
2 終助詞のゾは教示・報知・説明
3 終助詞ゾの倒置
二 ゾを含む文の文型
1 ハとゾとの組合せの文型
2 接続助詞とゾとの組合せの文型
三 源氏物語の中のゾ
四 鎌倉・室町時代のゾ
1 格助詞との複合形
2 ゾの係り結びの衰退
五 奈良時代のナモの意味と用法
六 平安時代のナム
七 鎌倉・室町時代のナム
第五章 カとヤ
一 奈良時代のカ
二 奈良時代のヤ
1 文末のヤ
2 文中のヤ
三 平安時代のカとヤ
1 カからヤへの移行──古今集に見る
2 ヤの変質──源氏物語に見る
四 鎌倉・室町時代のカとヤ
1 時代的変化と文体の個性
2 助詞カの用法の年代的変化
3 助詞ヤの用法の変化
終章 古典語から近代語ヘ
一 係り結びとはいったい何だったのか
二 係り結びはいかにして亡びたか
三 係り結びの亡びた後はどうなったか

あとがき
引用歌索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こたろう

1
序章と終章のみ。現代の日本語からは消滅している係り結びについての研究。これが話し言葉でも使用されていたのかは、気になるところだが、おそらく現代と同じように、書き言葉と話し言葉は、異なった形式だったと思われる。貴族たちの教養の一部として、係り結びのような形式が使用されていたのではないかと思った。古代の係り結びのみではなく、現代語への影響などについても、記載されていたので、その部分のみ参考にした。2022/01/12

みなと

1
「こそ」の話には納得できたけど、倒置説にはいささか疑問が残りました。もう一度読み返すことで疑問が解消すればいいのですが…。2012/06/26

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