朝日新書<br> プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」

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朝日新書
プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」

  • ISBN:9784022952356

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内容説明

かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで称されたわが国は大きく凋落し、購買力は1960年代のレベルまで下落した。経済大国から貧困大国に変貌しつつある日本経済の現状と復活策を、60年間世界をみつめた経済学の泰斗が明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ピンガペンギン

22
論理的にわかりやすく書かれている。消費税増税が封印されているので、財源探しが迷走。子育て支援の財源を社会保険料から取る話になっているが、高齢者のうち金融資産が多い人は負担が増えず、就労する高齢者は負担が増えるという不平等。お金持ちからは取らないとは。金融機関も課税に反対するという。おかしい政策だらけだ。消費者物価指数は輸入物価指数の動きで決まる。円安になったら物価は当然上がる。物価高の克服などと言っているが、為替レートは予測できないという。(食料品が、本当に高くなりましたね。)2024/11/22

まゆまゆ

18
過去の栄光にしがみつき、バブル期から社会構造が固定化されている日本。イノベーションの意欲がないのは、補助金によって産業が延命されてきたからで、加えて円安と低金利によって簡単に利益を上げることができる情勢だった。本来なら社会構造とビジネスモデルを根本から変更しておくべきだったが後の祭り。賃金を上げるために必要なのはやはりデジタル人材による高度な専門性の発揮、なのだろう。2023/11/13

おおにし

17
(読書会課題本)野口さんの経済統計を使った分析は、「貧困大国」日本の現状を克明に示していて反論の余地はない。では、どうしたら日本が「貧困大国」から脱出できるかという具体的な提言はもちろん書かれていない。「日本社会停滞の原因は、日本社会の基本的な構造にある。それを改革しない限り、日本は豊かさを取り戻すことはできないだろう」という言葉で締めくくられている。今の政府がやっているような「補助金を配って旧来のシステムの延命に手を貸す」施策では「貧困大国」からの脱出は永遠に無理だということだ。2024/06/18

newman

12
面白かった。まずはビッグマックの値段が円換算して高い国があったり安い国があるのか納得できたのが嬉しかった。マックは労働集約型の産業で賃金が安い国は安くなる、なるほどと思った。そしてiPhoneが各国でなぜ高いかも分かった。提供する労働の質によって年俸が大きく差があるのは当然のことのように思えるが、日本では民間会社も公務員もトップでも平社員と何百倍と差は開いているわけではないから年賦1億円でコンピュータのプロを雇うのは難しいだろうなと思った。著者の切り口は爽やかで読んでいて心地よい。ただ現実の問題を(続く)2024/05/23

Melody_Nelson

10
暗い気持ちになるが、現実を受け止める。円安は輸出企業にとっては良いけれど、為替によって利益がでるため技術革新が鈍ったのだとしたら情けない。そして、以前テレビで専門家が「円安の方が国内産業の空洞化を避けられるのでまだマシ」と言っていたが、本書で指摘されているように、円安だと優秀な人材が流出しがちだろう。教育の劣化や少子高齢化など、もっと前から対策できただろうことを後回しにしてきたツケが肥大化。現在の不満と将来への不安から、減税についても意見が割れている。どういう政策をとっていくべきなのか。2023/11/03

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