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内容説明
現代日本人を読み解くキーワード
世界を襲ったコロナ禍により、さまざまな形で私たちの心のありようは変わったと言える。
他人と接触することがはばかられた時間を経て、他人との交流が増えたいま、人とうまくつながれず表面的な関わりしか持てなくなってしまった人や「みんなと同じ」からはずれる恐怖を感じる人は実に多い。
これは若い人だけの問題ではなく中高年でも多く見られる現象でもある。
本書では日本人を蝕む「疎外感」という病理を心理学的、精神医学的に考察。
どう対応すれば心の健康につながるのかを提案する。
【主な内容】
・「みんなと同じ」現象の蔓延
・コロナに続くウクライナ情勢を疎外感から読み解く
・あぶり出された人と会うのがストレスの人
・8050の嘘
・高齢者の「かくあるべし」思考と福祉拒否・介護拒否
・ホワイトカラーの老後と疎外感
・スマホの普及という新たな依存症のパラダイム
・コミュ力という呪縛
・共感という圧力
・疎外感とカルト型宗教
・周囲が心の世界の主役のシゾフレ人間
・対極的なシゾフレ人間とメランコ人間
・人と接していなくてもいいという開き直り
・ひとりを楽しむ能力を与える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
13
集団に馴染めないこと。そこから放逐されること。そして生じる疎外感はやがて人類全体(と言いながらリベンジは手近な弱き人類に向かいがちなんだが)への憎悪へと熟成されていく。「みんなと同じ」ことやそこに浸る安心感を否定するわけではないけれど「みんなと同じ」ではなかったとしても大したことではないと考え方を変えていかないとな。ある集団からパージされたとしてもそれにより疎外感を抱く必要もなければ孤独に責め苛まれる必要もない。集団=群れなんて無数に存在するのだから好きなところに所属したらいいし、独りだって構わないのだ。2024/01/10
めぐ
7
コロナ禍の孤独からの疎外感、トラウマに起因した疎外感。そして疎外される恐怖から同調圧力をかけ、人に合わせるのは日本の病理でもあるというような内容。日本にいると多数派だからというだけで持論を決めてしまい、何故それを支持するのかというところが曖昧な人間が多くて会話にならないなと思う所も時々あるが、人はに合わせない人間である私のような者も、あいつは合わせないから悪であるというレッテルを貼られて集団から受け入れられない疎外感は感じている。媚びてまで人に混ざる必要もないと割り切ってはいるが、集団は集団で大変そうだな2023/12/28
yunyon
6
昨今の「無敵の人」たちの犯す犯罪、池田小事件、光市の母子殺害事件、安倍元首相の暗殺事件の加害者たちはみんな児童虐待のサバイバーで社会になじめず、激しい敵意と疎外感を抱えて生きてきた延長線上に事件があったとしたら、社会は被虐待児を救い出すことで、凶悪犯罪を少しでも減らせるのだとしたら…。異次元の子育て支援の場所は、日々の子育て費用のバラマキや、誰得な無償化じゃない場所にもあると思う。疎外感を持たずに過ごすためには、幼少期にしっかり甘えられ、受け止められる経験をみんなすること。大人になっても吐き出す場所が必要2023/11/28
遊未
4
コロナのこと、引きこもり、トラウマ、高齢化社会、依存症、学校のこと。これでは毎日のように電車が止まる訳だと納得してしまいそう。学校のことは特にゾッとしました。カーストあるし、実力が認められない、よくわからない評価ばかりになっていく。心理学が数字の世界になってきたり、うつ病は薬で治すとか。2024/08/03
どん
4
「70歳が老化の分かれ道」や「80歳の壁」など老年精神医学も興味深いが、色んな疎外感の中でも学校の疎外感は辛い。 いじめ撲滅のために、「みんな仲良く」が目標になって、友達は多いほど良いとなってしまう。スクールカースト、コミュ力などKYを怖れて合わせる辛さ!2023/10/12
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