内容説明
「人生は軽やかでなければならない。そして単純でなければならない。絵も同じ」「子どもは遊びに熱中すると、他のことを何も考えなくなって無心になる。僕はそういう状態で絵を描きたいと思っています」。老いと病を軽やかに超越し、創造の世界に日々、向き合う。アートの先駆者で87歳の美術家が語る、描くこと、生きること。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
横尾さんの新書が昨年から3冊引き続き発刊されています。もう87歳にもなられていて途中にいろいろあったようですがかなりお元気なようです。ご自分の関連の美術館を2か所も開館されているようですね。今までの経験などを書かれていてポイントの文章をところどころに挿入されているのもいいと思いました。例えば「死んだらどうなるかということを心配するよりも、今を一生懸命生きることが大事です。」2024/03/07
レモングラス
89
東京国立博物館での「寒山百得」展をNHK BSで見た。本書はイラストレーターになるまでや、イラストレーターから画家に転向した際のことなど、また、人生最大級の痛みだった心筋梗塞や、足の切断を言い渡されて慌てて退院した経験などが記されている。寒山拾得については森鴎外や芥川龍之介にも触れている。「運命に身を任せればよいところに連れていってくれる」が印象的。自分の運命を転換させるような衝動に直面したときは、自分の意志というより、内にある衝動に逆らわずに従う、しのぎを削ってどうするの? 読み応えありました。2023/11/11
かんらんしゃ🎡
40
サブカルの教祖たるもの自由人であることが大前提。70年代大量に世に現れた。寺山修司、赤瀬川源平、森山大道、若松孝二、ちょっと遅れてアラーキー。今なら村西とおる? 横尾忠則も生前遺作展を催したりと奔放に世間をにぎやかした。なんとかなるさと軽やかな死んだふり人生が自伝風に書かれている。常識や世間にがんじがらめのオレたちゃできなかった。ツッパってるつもりでも自制心が働いた。自由人の彼らはだから教祖なの。2024/05/26
阿部義彦
20
ポプラ新書最新刊。全て書き下ろし。今年(23年で87歳)になる横尾忠則さんですが、昨年には急性心筋梗塞で入院中して命拾いをしました。そんな横尾忠則さんの死生観を中心に、流されるままに生きてきたこれまでの人生を振り返ります。何事にも受け身で、自分から働きかけて何かをやるのは面倒くさい性格。結婚も相手任せで、付き合って1週間位に、彼女が勝手にアパートを借りて「アパートを借りたからそこに行きましょう」と言われ「ああそうですか」とついて行ったそうです。難聴になり腱鞘炎にもなり、老化に任せて画風も変わりました。2023/09/25
ズー
17
存在はもちろんずっと知っていて、アバンギャルドで赤と青の奇抜なグラフィックを作る方と思っていて。この本読んでみたら、想像よりずっと柔らかくて(お年を召したからかな?)。ずっと活躍している方が長生きして見える世界、人生、悟り。鮮明で真実に思える。すごく響いた。これは展示も急いで行かなくては。薄めで文字も大きめな本だけど、すごくいいことがいっぱい書いてある本だった。2023/11/05
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