内容説明
「日本人」を取り戻す旅――われわれは何を忘却し、何を守ろうとしてきたのか? 歴史をひもとくと、古代の日本社会は多様な思想や価値観に満ちていた。しかし、いつからか「日本は集団主義的で同調圧力が強い」と評されるようになった。いったい、なぜ? ターニング・ポイントは? 我々の「日本人意識」は、どのように形成されてきたのか? そもそも、我々はいつから日本人なのか? 本書では、古代から現代までの「日本人のものの考え方」のルーツを探る。その過程で、時代ごとに影響を与えた思想を「マトリックス」で図解・整理。日本思想史を俯瞰する「見取り図」を通じて、その構造と大きな流れを読み解いていく。壮大な物語を読み解くナビゲーターは、駿台予備校のカリスマ世界史講師であり、YouTubeで14万人のファンがいる茂木誠氏。世界史の視点から、日本で繰り広げられる「大いなるドラマ」を解説する。日本人の思考様式・行動原理・アイデンティティは、どのように醸成されてきたのか? 日本人とは何か、どこへ向かうのか。そのすべてがわかる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
24
グローバリズムとナショナリズム、国家主義(分配統制)と個人主義(自由競争)のマトリックスで日本思想を読み解く。その基層には、縄文人気質(直感・感性・自然・個人・家族)と、弥生人気質(計画・努力・開発・協調・共同)がある。日本では、神仏習合のように相対する思想が共立し、ときに融合しながら歴史が展開されてきた。天皇制が続いてきたこともその証。仏教と神道、顕教と密教、平氏と源氏、戦国時代と江戸時代、朱子学と水戸学、田沼と定信、自民党と社会党などなど、関係性が理解できて面白い。2024/02/01
sakanarui2
12
著者のことは知らなかったが、自分が知りたいテーマの本だったので手に取った。人気予備校講師らしく、シンプルで読みやすく面白い。一方で、物語形式になっている本の危険性も強く感じた。『サピエンス全史』や、『銃・病原菌・鉄』と同じく。複雑で膨大で諸説ある歴史から要素をかいつまみ、著者の解釈を加えて単純化し、わかりやすく面白く提示されるとあたかもそれが事実のような気がしてしまう。私自身は日本史に明るくないので、とくに古代の話などは「そうだったんだー!」と膝を打ちそうになるけど、そうだったのかどうか本当はわからない。2023/12/15
ももたろう
11
これまで読んだ歴史の本の中で、ダントツで一番面白かった。今の公教育が行なっている自虐史観がない。史実の列挙をだだ読むようなつまらなさが全くない。日本を誇りに思える良書。文章に血が通っていて、ドラマティックで読みやすい。歴史の名場面とともに心が躍る瞬間がたくさんあった。個人的には、若くして亡くなった吉田松蔭や高杉晋作あたりが今の日本にとっていかに大きな貢献をしたか再認識できたのが良かった。あと、本居宣長が人生かけて古事記を解読してきたあたりも非常に興味深かった。古事記を再読しようという気持ちになった。2024/01/05
pourynhill
8
めちゃめちゃ面白かった。予備校講師の茂木誠さんの本はどれも知識が深いのにわかりやすくてそして面白い!今回ダーッと読了しただけなので全部を記憶したわけじゃないけど、自分の薄い歴史観が少し厚くなった。今まで知らなかった江戸や明治期の気骨ある思想家たちの考えにも触れられて今後の学習の興味にもつながって嬉しい。また読みたくなったら再読しよう2024/04/02
みのくま
6
令和の新しい保守/右翼の歴史観を知る上で読んでみた。思想史をマトリックスにして理解しようとする本書は、右翼と左翼という分け方では不十分であるという認識を前提にしている。著者が事あるごとに右翼と保守を切り離して語っているのも注目すべき点であろう。他方で、このマトリックスが本当に的を射ているかは疑問である。グローバリズムもナショナリズムも、自由主義も統制主義も、古代から現代にまで落とし込める普遍的な要素なのだろうか。思想史を通史で語りたい欲望は理解できるが、かなり雑駁な区分けでの理解になってしまい面白くない。2024/04/04
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