外来種は悪じゃない:ミドリガメのための弁明

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍

外来種は悪じゃない:ミドリガメのための弁明

  • 著者名:伊地知英信
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 草思社(2023/09発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794226655

ファイル: /

内容説明

本書は生物関係のテーマで長年ライターをやって来た著者による現代の自然保護政策への批評的ひと言。令和5年6月1日から特定外来生物保護法の改正施行で、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)、アメリカザリガニの「輸入・販売」が禁止された。罰則罰金も厳しく、50年以上も日本に住み着き、子どもたちのペットとしても親しまれ飼われてきたこの2種も排除の対象になってしまった。一方で、メディアでは相変わらず外来生物が日本固有の生物や里山的環境を破棄すると誤解に満ちた報道が垂れ流されている。「かいぼり」(池の水抜き)を娯楽化して外来生物と在来生物を分けて駆除するテレビ番組も人気である。
――外来生物は悪者で、在来生物は良い存在だという単純な考えにも疑問を抱く。つまり生き物を良い悪いで見ること自体がおかしな自然観だと思うのだ。だから外来生物を取り除けば「理想の自然」が再現される、という考えを疑っている。(本文より)
 著者は東京近郊の公園近くに住み河川や池の自然保護などにも参画している。都市環境のなかでどのような自然が生成しているかを見つめてきた。自然の複雑な生態系のありかたは人間の思い描く以上の動きで、ダイナミックに変化している。日本の外来生物移入の歴史(マングースや食用ガエル、またペットの逃亡・放流などの歴史、ミドリガメはお菓子の景品としてアメリカから大量に輸入された。アメリカザリガニは食用ガエルの餌として輸入されたものの生き残り)のエピソードを振り返りつつ、さらに西洋流の環境保護思想の輸入の影響も踏まえ、混乱する外来生物政策の現在の論点を整理しもっと豊かな「新しい自然」観を提唱する痛快自然エッセイ。
本書には「もちつきかつみ」さんによる巧みな生物イラストが満載されており、これを見るのも楽しい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まるぷー

21
外来生物が在来種や生態系に及ぼす影響を識者の考えなどを交え考察する。稲やキャベツなどの西洋野菜も本来は在来種であり現在においては平然と帰化したものであり我々の生活に根付いたものだと。確かにそう考えれば頷けるが、それがミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメ)やブラックバスと同列に考えていいものかと思った。日本は大陸の国と違い地続きの国境を持たない。よって、外来種の持ち込みは人間の意図的な持ち込みがほとんどである。沖縄や奄美のマングースの例は悲惨なものであり、この過ちを犯してはならない。2023/08/16

古本虫がさまよう

4
著者も「フイリマングースは、そこにしかいないヤンバルクイナやアマミノクロウサギ、イシカワガエルを守るために徹底的に駆除したほうが良いだろう」としている。「しかし場合によっては、ある生き物がすべていなくなってしまうことで、別の問題が発生することもある。自然は複雑だ」としているのは同感。ブラックバスも小さい時は、ほかの魚のエサになっているし、アメリカザリガニを食べている水鳥も多いとのこと。 2023/11/25

takao

3
ふむ2024/01/13

安土留之

2
外来生物は悪で在来生物は良い存在、という単純な考え方に反論している本。実際、日本で栽培しているキャベツやブロッコリーも外来の植物である、と著者は言う。また、外来生物が生態系を破壊しているという説に対しても、生態系は変化するものであり、在来生物が異常繁殖することもある。 自然とはなにか、そしてどう人間が自然と共生してゆくかを考えさせる深い洞察に満ちた本だった。 2023/11/19

saladin

2
外来種について知ろうと。著者は”外来生物は悪者で、在来生物は良い存在だという単純な考え”に疑問を抱く。”生き物を良い悪いで見ること自体がおかしな自然観”で、”だから外来生物を取り除けば「理想の自然」が再現される”というのはおかしいと述べる。至って真っ当な主張だろう。だからと言って、外来種すべてを駆除するなと言っているわけではない。明確に述べてはいないが、著者は”生物は生態系という相互関係の中で……その場その場の状況に適応しているだけ”という、オーソドックスなダーウィンの”適者生存”を支持しているようだ。2023/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21449305
  • ご注意事項