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内容説明
〝釣れてよし、釣れなくてよし、人生竿一竿〟
ご存じ、桂歌丸師匠がユーモアたっぷりに綴った釣りエッセイの名作『イワナの休日~ちょっとうるさい釣り行脚』(1986年・リヨン社=二見書房)をヤマケイ文庫にて復刊!
まるで歌丸師匠の落語を楽しむようにスラスラ、クスクスと読める文章が満載です。
■内容
第一章 渓流釣行記 ~奥利根に、めざすイワナをもとめて~
渓流釣りの魅力/私の釣り場さがし/秘蔵の川/穴場さがし/奥利根の大イワナ/私の釣り仲間/湖のイワナと沢のイワナ/
逃がした魚は大きい/熊さんとご対面/ヘビの知らせ/ガマに吠えられて崖を落っこちた話/釣り師変じて砂金堀り/タクシー来ねえかな/
渓流師心得/釣り師の言い分/ビギナーズ・ラック
第二章 道具・餌談義 ~道具と餌は釣り師のいのち~
道具じまん/なじみの店/キジ騒動/歌丸餌談義/続・歌丸餌談義/仕掛け談義/釣り師のカガミ/仇討ち/大阪の釣り/
練り餌で釣ったギリシャの魚/あらまあ、大きなオットセイ/噺百遍
第三章 海・川・湖遍歴 ~おかしな、おかしな釣り行脚
少年時代/メダカ釣り/短気者/相模湖の釣り/ワカサギ釣りに開眼/氷に乗って漂流した話/タナゴ釣りのこと/バクチ/ゲテモノ釣り/
けものたち/ちょっと一言/にわか釣り師
あとがきにかえて
解説=若林 輝(『RIVER-WALK』編集長)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
28
歌丸師匠による釣りエッセイ。とにかく「釣りキチ」。スジガネ入りの釣りキチだったようで、ワカサギを1000匹釣り、40センチ越えの岩魚を釣りあげたそうだ。熊におそわれても猿に襲われても、生き餌を自家養殖して家人近隣に迷惑をかけても、とにかく釣りファースト。釣りと自然をこよなく愛した歌丸師匠の座右の銘は「釣れてよし、釣れなくてよし、人生竿一竿」。釣りも人生も達観したいい言葉だ。師匠は趣味人として素敵な人生を全うされたようです。2024/06/25
yyrn
23
釣りはしたことがなくても十分に楽しい本だった。落語家の桂歌丸師匠(2018年没81歳)の壮年時代の釣り談義で86年初版の復刻本。落語のマクラ話しやラジオトークをまとめたような、釣りに魅了された男が嬉々として語る40話が収まっている。笑点を見ていただけでは気づかない話ばかり。▼これを読むと、人は趣味なしには生きられない生き物なのかとも思うし、趣味が高ずれば、ここまでハマるのか、凝るのか、とも驚く。落語の修行同様に釣り名人から技を盗む話などは面白く、また登場する釣り仲間たちとの交友録も読んでいて楽しかった。2024/01/18
緋莢
16
図書館本。1986年に刊行されたものに、『リバーウォーク』編集長である若林輝の解説を収録して文庫化。この本を見かけて、著者が釣り好きだったと知り驚きました。 渓流釣りを始めたきっかけ、熊と遭遇したなど『歌丸極上人生』でも書かれているエピソードがありましたが<石と水、この二つを調べれば、ヤマメがいるかどうかはだいたいわかります。理屈でなく、カンで判断がつくわけです>という釣り場探しのエピソード、遠隔地の場合は、<地図を見て、めざす沢の近くにある村落に電話をかけます。 もちろん、見ず知らずの家にです。>(続く2024/05/05
スプリント
11
軽妙な文章で在りし日の歌丸師匠が忍ばれます。 かなりの釣り師だったのですね。 くすっとするエピソードだけでなく環境保全や釣り師としてのあり方なども書かれていて考えさせられます。2023/11/06
みじんこ
5
道具や餌、様々なエピソード(熊の話は驚かされる)も含めた歌丸師匠の釣りに関する来歴を知る。自分で調べ、落語と同様に熟練者の技を盗み、様々なこだわりを持って向き合ってきたことが分かる。当然釣れた方が面白いのだろうと思う一方、解説にもあったが釣れなくてもそこで過ごす時間に意味があるという点を重視していることも分かる。子供の頃の自分は釣りに行っても何もかからないと実に退屈だったものだが、今行けば感じ方も異なるだろうか。最後には環境保全や釣り師としてのマナーについても述べており、今なお心に留める必要があるだろう。2023/10/06