内容説明
河内の民と土地と楠木一党の仲間たち、そして家族をこよなく愛した
戦さの天才・楠木正成が駆け抜けた熱き戦いの五年間。
イキのいい河内弁を駆使する人情味あふれる姿で描かれた歴史小説!
「いうとくけど、わしは損得で動かんのじゃ!」(薄笑いを浮かべる足利尊氏に向かって)
鎌倉幕府と戦い、後醍醐新政を支え、寝返った足利尊氏と闘い抜いて壮絶な最期をとげた楠木正成の、下赤坂城の戦いから千剣破(千早)城の戦い、湊川の戦いまでの五年間。弟・正季や恩地左近ら楠木一党とともに寡兵で大軍に立ち向かい、奇想天外な戦術で次々と勝利をおさめた無敵の戦術家。だが、ただ「忠臣」「軍神」としてではなく、郷土・河内の民と土地と楠木一党の仲間たち、そして家族をこよなく愛した男として、あふれんばかりの人情味に満ちた楠木正成の姿が生き生きと描かれる。熱き一冊!
装画:ヤマモトマサアキ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイシャ
27
新聞の書評に載っていた「楠木正成と言えば、幕末の志士にも多大な影響を与え、勤王の象徴として徳川幕府を倒す力にもなった男の名だ」という一文に魅かれて読んだ。名前は知っているのに、何をした人なのか今一つ知らなかった。皇居外苑にある美しく勇ましい楠公像。時に応じて鎌倉側、帝側と立場を変える者が多い中、彼は一貫して天皇をお支えする姿勢を崩さなかった。本書の正成は全編河内弁で、まさに河内のオッサン。楠木軍での会話はボケとツッコミ満載で漫才のよう。足利尊氏、大塔宮、新田義貞などの有名人の立ち位置もわかる。2023/10/27
スプリント
8
河内弁をしゃべくるおっさんたちのやり取りが読んでいて面白い。 尊氏との邂逅も新田義貞の空回りっぷりもうまく描写されていてよい。2023/11/04
カマンベールねこ
6
逃げ若13巻を買いに書店へ。今回の表紙は楠木殿〜とか思ってたら本書が目に留まった。おもしろい!これ次の直木賞に選ばれないかな?極楽征夷大将軍に対する返歌というか、B面というか。鎌倉〜室町へのこの時期を描いた作品が連続で選ばれたらおもろいねんけどな。話題になってへんし無理か…。河内弁のおっさんなのに格好いい楠木正成がとても素敵。しかし逃げ若もちょうど湊川の戦いだから、坊門てめえって思いを短期間で2回もしてしまった。逃げ若つながりでいえば、瘴奸こと平野将監もいいキャラクターだった。もっと読まれてほしいなぁ。2023/11/11
guncrazy25
1
★★★2023/11/04
布施克行
0
図書館本2024/06/21
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