待ち遠しい【毎日文庫】

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待ち遠しい【毎日文庫】

  • 著者名:柴崎友香
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 毎日新聞出版(2023/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620210537

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内容説明

これはきっと「あなたの物語」

住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす、今どきの新婚25歳、遠藤沙希。偶然の出会いから微妙な距離感のご近所付き合いが始まった。「分かりあえなさ」を越えて得られる豊かな関係を描き出した珠玉の一作。

「わたし以外のほかの誰かが決めることじゃないんです」
人と比べられて気まずい思いを強いられたり、「みんな」と同じ条件や要素を手に入れられないことに疎外感を持ったりする世の中にあって、その言葉はすべての「わたし」の人生を支えてくれるお守りのようなものだろう。いうなればこの小説は、ひとりの人間が自分の内側からその言葉を紡ぎ出していく過程を丹念に言語化したものなのだ。(倉本さおり(書評家)「解説」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

相田うえお

62
★★☆☆☆25040【待ち遠しい(柴崎 友香さん)】◯作品内で、一人暮らしの春子さんが急に意識が遠のくほどの痛みを感じて救急車を呼んでいいものかどうかを迷うシーンがあったんですけど、たしかに判断は難しいですね。結局、春子さんは尿管結石だったようですが、どんな痛みかは想像もつきません。◯最近の若い人は就職の面接で尊敬する人を聞かれると両親や家族だと書いてあったけど、個人的にはそれもアリだと思う◯天橋立股覗き、空に橋が架かっている様には見えないという人もいる◯台所の位置で生活する人の暮らしぶりが変わるかも。2025/06/28

エドワード

20
大阪の街の古い一軒家。離れに住む北川春子、39歳。大家の青木ゆかり、63歳。ゆかりの甥の妻、29歳の遠藤沙希。歳も性格も違う女性三人が織りなす四季。独身で会社員の春子は独りが好き。ゆかりは賑やかなのが好き。沙希は束縛を嫌う今時の若者だ。色々な出来事が起きる。春子が突然尿管結石で倒れ、入院する。沙希の夫は警察で事情を訊かれる。後ろ暗い事は他人には話さないもの。結婚、子供、仕事、家族。いいも悪いも、一口では言えないね。それでも人と会い、食事をするのは楽しい。歳を取るのは寂しいこと?いや、待ち遠しいことだよ。2025/11/20

ココ

17
離れの一軒家を借りて暮らす39歳独身の春子さんが、63歳の大家さん、裏手の家に暮らす新婚の25歳と世代を超えて凸凹なお付き合いをしていく中で、学んでいく。2025/06/22

イシカミハサミ

16
最近よくあるといえばよくある、 多様性と「普通」の対立、というか共存。 これがさすがの柴崎さんの文体で綴られる。 黄色い家。 ファストファッション。 1人暮らし。 車。 生活の中の個性から、 さまざまなものを暗示させる。 暗示させられているものを、 暗示していると認識してしまうこと自体が、 世の中の「普通」に毒されている証拠かもしれない。2024/02/29

miu

11
わたしはつくづく市井の人のなんてことない日常をうまく描く作家が好きだ。柴崎友香もその一人で今作「待ち遠しい」ももちろん最高だった。一人で賃貸の離れに住む春子と大家で母屋に住むゆかり。ゆかりの甥の嫁沙希。ご近所付き合いは面倒くさくもありがたいもの。そして次から次へと気付きを得るもの。あしたからちょっと目に映るものが変わるかも。ご近所付き合いはしないと思うが、人ともう少し関わることもいいのでは、と思えた。2023/03/05

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