内容説明
世界、布教、祈り、そして神。宗教はこれらをどのように「デザイン」してきたのか?
シンメトリー、カリグラフィー、縦組み書式、楽譜や音符、書籍のサイズや章扉、色、絵画、建築……世界のありとあらゆる表現の原点には「宗教」と「デザイン」があった!
ビジュアルな説得力が不可欠だった宗教が、これまで生み出してきた数々の「デザイン」とその歴史を網羅する類のない一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nishiumi
13
宗教から派生したデザインを、「世界観、布教、祈り」の3部に分けて構成。取り扱う宗教は主にキリスト教、イスラム教、仏教で、それぞれの持つ特性(普遍性・絶対性・安定性)によって違ったデザインが現れる。毎度のことながら松田さんの編集力には脱帽で、宗教をテーマに古今東西の文字、記号、メディア、建築、色、はては現代のポップカルチャーまで、取り扱うテーマは多岐に渡る。散文的な感じは否めないが、連想ゲームで繰り広げられる知の奔流に酔いしれること間違いなし。宗教のデザインが一方で差別を助長してきた歴史も忘れてはいけない。2024/06/07
多喜夢
10
宗教にまつわる様々な現象を主にビジュアルの視点に立って蘊蓄を語る本。図版が豊富で美しくこれだけ見ていても楽しい。結局、宗教は差別の原点らしい。ちょうどロシアのウクライナ侵略戦争の頃に書かれたので、何回か話題に出てくるが、その後のガザ地区の紛争などもいいネタになったろうなと思う。黄色という色の捉え方も西洋と東洋では真逆なのでその辺を意識してこの装丁になったのだろうか?2024/02/20
W
2
隅々まで面白かった。 特にキリスト教の基本色制定から差別に使われる色(黄色、のちに赤色も追加)の歴史、宗教改革による色彩破壊の話がとても面白かった。 ルターから始まったプロテスタント派はカトリック派の対極を目指したため、これまでの典礼色を廃止して絵画や壁画の色彩も剥ぎ取ったと。 レンブラントがプロテスタント派だったと知ると、「夜警」など暗い色調の絵が違う意味を持って見えてくる。2025/01/11
あつべよしき
2
宗教におけるデザインは権威に無茶苦茶関わるんだなーと思った2024/12/19
satao
2
装丁が気になり手に取りました。宗教における意味のある形やそのデザインが宗教においてどう活用されてきたか、様々な観点でまとめられている1冊です。枕くらい分厚いうえ「宗教」という固そうなテーマで読み切れるかなと不安でしたが、語り口が軽妙で人に話したくなるような豆知識がたっぷりで楽しくスラスラ読めます。個人的に、日本においては「中心」があまり重要でなくキリスト教圏が上や縦を意識する中、横や水平を重視した思考・建築が多いという点が興味深かったです。ひらがなのなりたちや女書の存在を知れてたのも嬉しい。2024/04/30
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