ちくま新書<br> 大還暦 ――人生に年齢の「壁」はない

個数:1
紙書籍版価格
¥968
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま新書
大還暦 ――人生に年齢の「壁」はない

  • 著者名:島田裕巳【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075796

ファイル: /

内容説明

人間は、どうやら120歳(大還暦)まで生きることができるらしい――そんな時代に長い老後をどう生きて、どう死んでいくのか。それを考える上で、「宗教」は役に立つのか。宗教学者の著者が、日本人の死に方、生き方、宗教の衰退について、そして、最期まで充実して楽しく過ごすにはどうしたらいいかを考える。秘訣は「怒らない」「超然とする」「自分にとって切実な、学ぶテーマを見つける」!

目次

はじめに/のび続ける寿命/長い人生、どう生きていけばいいのか/宗教の衰退現象が進んだ/第一章 根本から死生観が変わった/「死生観B」への大転換/人はいったいいつ死ぬのか/『80歳の壁』は何を意味するのか/スケジュールは大嫌い/本当に壁はあるのだろうか/第二章 誰もが仏になれる/宗教はどうして古びてしまったのか/強制された追善供養/先祖はもうどこにもいない/最澄の野心的な試み/年忌法要は、要らない/第三章 「墓ブーム」は終わった/急増する「墓じまい」/土葬時代に庶民に墓はなかった/火葬するから墓が要る/墓はブームだったのだ/「〇葬」なら墓じまいも要らない/第四章 葬式は、要らない/私はなぜ「仏敵」になったのか/村社会の代わりになった企業/曖昧になった生と死の境目/現代の死はフェイド・アウト/第五章 誰もが知らない自分の死に方/どうして孤独死が起こるのか/突然死は避けられない/母はこうして死んだ/ドラマのようには誰も死ねない/みな梶井基次郎のように死んでいく/死を恐れる必要はない/第六章 「大還暦」という大目標/人類の寿命は何歳なのか/大還暦をめざして生きる/隠居という手があった/神が創造したものにはすべて意味がある/今私たちに課せられた試練/第七章 超然として「こころの出家」を果たす/「定年」という大きな区切り/出家という日本の伝統/実は私たちは出家している/「こころの出家」のすすめ/「超然とする」という決断/第八章 腹が立つのは私たちが無知だからではないのか/怒りん坊だった新渡戸稲造/満たされないから人は怒る/腹を立てるのは当然ではない/相手の真意をどこまで深く理解しているのか/間違いだらけの私から出発する/第九章 学ぶことの楽しさは格別/宣長先生の立派な教え/人生を費やした古事記の研究/何より難しいのはテーマを見出すこと/大人になってこその勉強の楽しさ/アウトプットにまさるインプットはない/第一〇章 どうやって学ぶのか/宣長先生の勉強法/とことん一次資料にあたる/ある人物の一生をたどってみる/官能的と評される仏がなんと/生涯をかけられる真のテーマとは/おわりに/「生涯現役」でありたい/「私のクライアントは完成をお急ぎではない」/「長く続けられるかどうか」が重要

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデキ

47
大還暦、どんな意味だろうと思って読みました。 ヒトの死と長くなった寿命が、どんな人生をみんなにもたらすかを考えさせてくれました。 60歳の還暦を2回過ごせて大還暦だそうです。 人間の限界と言われる120歳が、出てきてもおかしくない長寿社会でもう一回新しいことに挑戦する それを思わせてもらえる本でした。 何をしましょうかね2023/09/30

kawa

30
超高齢化社会を迎えて大還暦(120才まで生きる)時代の生き方を解く。寿命が延びたことにより「墓ブーム」が終わって、葬式も簡素化してきたという分析にはなるほど。1953年生まれの男性は50%が88才まで、25%が94才まで生きるんだそうな。必ずしも著者の提言に全面的に賛成はできないかな。悲観的な私としては精々後5年、後3年と尺取虫のように小刻みに考えて、老後を送りたいと思っているのだが…。2025/08/15

ユーユーテイン

7
「回向」「追善供養」についての考えが最も印象に残った。人生50年時代、亡くなった人が現世で徳を積めなかった無念を思い、生者が代わりに徳を積んであの世に送るという考え方である。人生120年と言われる現代、人は長生きして自分で十分に徳を積める。そんな時代には宗教観も死生観も過去とは変わって当然だと思った。筆者はこれからの生き方として、学ぶテーマを見つけて長い時間かけて取り組むことを勧める。人生120年時代には皆が「人生は短く、芸術は長い」を実感し、互いを尊重するようになっていくのだろう。2023/10/22

ひーじー

5
3.5/5 大還暦とは還暦の倍、120歳のこと。いくら寿命が延びてもそこまで生きるとは思えないのですが、ともかく本書ではそんな長命を見据えての心構えを説いています。面白いのは、話を成仏や墓の話題から始めて、よりよい死とは何か、そのためによりよく生きるとは何かと話をさかのぼらせていくこと。ちょうど仏教の十二因縁が老死からスタートして、最後に無明にたどり着くのと同じ手法。そのあたりは大変面白く読んだのですが、最後の生き方のヒントが、ずっと続けられる生きがいを持とうというありふれたモノだったのが少々残念でした。2023/10/25

coldsurgeon

4
大還暦とは、2週目の還暦ということであり、120歳ということになる。それを目指して、生活を見直し、心を出家させ、超然とした気持ちで高齢期を過ごそうと提案している。認知症にならずに長生きできればいいけれど。2023/10/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21511974
  • ご注意事項

最近チェックした商品