集英社文庫<br> ぼくの世界博物誌

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集英社文庫
ぼくの世界博物誌

  • 著者名:日高敏隆【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 集英社(2023/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087445473

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内容説明

カバにはカバの文化がある。ぼくは、生きものそのものをわかりたかった。動物たちのそれぞれの生きかたを、その動物の「文化」と呼ぶことはできないだろうかと、ぼくは考えた。クラゲの文化とか単細胞の文化とか、カバ文化、ライオン文化、昆虫文化といった具合である。そう考えれば、人間の文化も何かをつくるというような話ではなく、人間はどう生きているかという話になってくる。動物にも植物にも虫にも、そして人間にもそれぞれの文化があり、生きるための戦略がある。動物行動学者が世界を巡り、出会った不思議、暮らしの風景、人と自然との関係――ナチュラル・ヒストリーの視点で綴るエッセイ集。

目次

ぼくの諸国漫遊博覧記
交遊抄――ボードワン先生とぼく
ぼくの博物誌
人間の文化、動物たちの文化
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶち

93
著者の『ネコはどうしてわがままか』がたいへんに面白くて、この本も手に取りました。タイトルが表すように、世界各地で見聞きした事柄に関するエッセイ集です。著者が仕事、学会、研究などで訪れた各地で出会った自然、風景、暮らし、不思議な事柄などが軽妙に語られています。イギリスとフランスのサンドイッチの違い、海底に住む昆虫、各地の朝食の違い、ニワトリが走り回るバス、ソ連時代のモスクワでの悪夢のような空港待機...どれもちっちゃな事ですが、飾らない面白さがあります。奥様が描いているイラストもたいへん素晴らしいです。2023/09/19

優希

41
面白かったです。動物好きから世界中で好奇心を満たしているのが楽しそうでした。動物も人間も生きるための「文化」と「戦略」を持ち合わせているのですね。人間と自然の関係に目から鱗でした。2023/11/02

ヨノスケ

20
動物行動学者、日高敏隆さんの博物誌というより紀行文。フランスのボードワン博士に招待された初めての海外。その後いろいろな国の料理や習慣が動物や虫の生態とともに興味深く書かれていた。そして偶然にも今朝、明け方に「ひぐらし」の鳴き声を聞きながら本書を読んでいると、ひぐらしの鳴く時間に関することが書かれていて、臨場感がおもしろくて、驚きとともに「この本読んでよかったな」という気持ちになった。2023/08/16

you

10
書店で著者の名前を見かけ、懐かしく思いながら購入。動物学に関する部分は1/3で残りは紀行文。バックパックで旅行していた記憶と重なり懐かしさ倍増。しかし、一流の学者というものは、こんなにも、家族同伴で観光をしながら学会に行くものなのか。著者が小学生の時、昆虫学に進む後押しを強力にしてくれた先生がいたという。自分にもそんな人生観が変わるような出会いがこれからあるんだろうか。進化や生殖行動の捉え方など、短いエッセイから素人がどれほど理解できているかわからないが興味深い内容多数。2023/08/30

タカボー

5
日高先生4冊目。著者が訪れた海外でのヒトコマを綴ったエッセイと、最後の方に少しだけ動物の話がある不思議な構成。動物行動学者だけあって、動物にしろ人間にしろ異国文化にしろ違いを受け入れてそれを楽しむ姿勢が素敵(旧ソ連の対応に怒ってる場面もあるけど)。エピソードとしては新聞を見ただけで一人でマレーシアまで来た女子高生の話が凄い。自分が高校生の頃にそんな行動力なかった。恐れを忘れるほどの熱量。真っ直ぐすぎて眩しい。2025/05/10

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