内容説明
マフィアの王、異世界を蹂躙す。
晩年、裏社会の支配者として君臨した男、レオ・F・ブラッド。彼の人生は、絞首台の上で終わりを告げたーーはずだった。意識を取り戻すと、その目に映ったのは見知らぬ町、見知らぬ人々。そして、見知らぬ自分の姿。かつて裏社会を統べた男は、何の権力も持たない唯の少年へと生まれ変わっていた。生前手にしていた力は何もない。だが、揺らめくような野心の炎だけは、未だその胸を熱く焦がしている。異世界のスラム街にて二度目の生を受けたレオは、仲間を集め、再び世界を手中に収めることを決意する。生前では取りこぼした、あるモノを手に入れるためにーー。第１７回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。死してなお悪道を征く、転生系ダークファンタジー。
※「ガ報」付き！
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
29
裏社会を支配者として君臨していたレオが異世界のスラム街の少年に転生を果たし、悪を以て悪を制するダークファンタジー。スラムで出会った少年少女の意志を尊重して家族となった仲間と共にレオが前世の知識と新たに手に入れた魔術を駆使して、敵の策略を利用して目的を遂行する為に手段を選ばない様はまさに悪のカリスマ。憎しみが新たな憎しみを生む中、レオは再び世界を統べることが出来るのか続きがとても楽しみです。2023/09/20
よっち
27
晩年、裏社会の支配者として君臨し、絞首台の上で人生の終わりを告げたレオ。異世界のスラム街で少年の姿で転生した彼が、仲間を集め再び世界を手中に収めることを決意する転生ダークファンタジー。何の力も持たないレオがスラム街でイドラたち仲間と出会い、明らかにされる駐屯騎士団と地元マフィアの癒着の構図。正義とは何か苦悩する副騎士団長サフィアも巻き込んで輸送物資強奪計画に介入する展開で、個々の能力と駆け引きを駆使して難局を切り抜けてみせた非情な彼らがこれから何を目指すのか。新たな因縁も生まれて今後の展開が楽しみですね。2023/09/16
山のトンネル
12
ジャンルはダークファンタジー。ガガガ文庫には奇抜な作品が多い中で、異世界転生をテーマに優秀作を受賞したこちらの小説。魅力は主人公のぶれないキャラの強さと後半の圧倒的な戦闘シーンか。2023/12/02
TERU
11
裏社会を支配していたマフィアのボスが異世界のスラム街から二度目の人生を始め、もう一度世界を牛耳ろうと動き出していく物語。 まず本作は、異世界モノが飽和状態の現代でも、個性豊かな尖った作品ばかり出しているガガガ文庫で『優秀賞』を受賞した作品になります。 本作の魅力は主人公にあります。悪の親玉としてどのような信念のもとに何を成していくのか、最初から最後までぶれない太い芯のある生き様がカッコいいと感じさせる。そして家族のため、己の為すべき事のためならどこまでも非情になれる意思力。2023/10/07
彩葉 楓🍁
9
【★★★★★】悪役が大好きです。世界を股にかけた大悪党が異世界に転生し、前世と同じように世界を牛耳る。スラム民の少年に転生した主人公は前世の知識、経験を駆使して自分の意のままに支配する。狡猾な行動言動が目立ち、そして歪な価値観、雰囲気、異質さを感じさせる主人公に新鮮さを抱き、その姿に感服しました。ダークファンタジー系によくある“正義の味方感”、万物に手を差し伸べるような完璧な正、だがこの作品はちゃん悪を貫いているところに魅力を感じた。あの展開は鳥肌もの。だがこれは賛否両論を招くかも。戦闘描写、世界観が良い2024/01/04
