内容説明
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腎障害を示す所見や腎機能低下が慢性的に続く状態である慢性腎臓病(CKD)。我が国には約1330万人のCKD患者がいるとされ(2011年時点)、中でも80歳台では2人に1人と、超高齢社会を迎え患者数は右肩上がりに増えています。CKD患者は末期腎不全や心血管疾患のリスクが高く、放置すれば人工透析の導入や心筋梗塞・脳卒中を来し得ることから、発症・進展を防ぐことが欠かせません。早期発見には定期的な健診が重要だが、加えて進展予防には、糖尿病や高血圧など生活習慣病の管理が重要になります。
本書では、従来の薬剤師向けの書籍に多かった「腎機能が悪い時の薬の調整の仕方」や「腎機能を悪くする薬」などの内容よりも、「患者の腎機能をどうやって守っていくか」にフォーカスしています。「医師が処方し、薬剤師が薬をピックアップして渡す」というこれまでの流れから脱却し、「目の前の患者に必要なことを考え、提案し、重要な薬を長く使う」ことに、薬剤師が積極的に関与していくことがこれからの時代には必要です。
腎機能が悪い患者は非常にたくさんいます。その人たちの腎臓を守っていくためには、より患者に近い薬剤師の力、つまり“薬剤師力”が重要です。こうしたCKD患者に外来で日々対応している薬局薬剤師向けに、患者フォローアップに必要な知識をまとめた、わかりやすい1冊です。
目次
基礎編
CKDの定義と重症度分類
CKDの原疾患は?
透析導入までの期間
血液検査結果の見方
尿検査結果の見方
進行したCKDの処方
急性腎障害(AKI)
管理指導編
●血圧
患者の降圧目標を知ろう
高血圧患者への薬剤選択は?
降圧薬の副作用管理は?
高齢者の降圧管理
RAS阻害薬はいつまで?
血圧が下がらない患者
●血糖
糖尿病性腎症とは
その患者の血糖目標値は?
低血糖は絶対NG
注意すべき糖尿病治療薬
血糖管理の重要性
●K
高カリウム血症を防ぐには
カリウム管理に必要な指導と薬剤
●貧血
腎性貧血の治療に必要な患者は
HIF-PH阻害薬の注意点
●P
リン値上昇で起こること
リン吸着薬の選択は?
●薬
利尿薬の正しい使い方
SGLT2阻害薬の使い所
MR拮抗薬の使い分け
症例で考えるMR拮抗薬
クレメジンは必要?
脱水に注意すべき薬
CKD患者のシックデイ
投与量に注意すべき薬
●食事
減塩の重要性
うまくいく減塩指導
タンパク質制限の考え方
カンファレンス編
糖尿病性腎症の高齢者 注意すべき薬は?
eGFR32mL/分/1.73m2の72歳の男性 透析導入を遅らせるためには?
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