内容説明
成功を決めるのは努力か環境か? ハーバード随一の人気教授が「能力主義」の是非を問い日本中に議論を巻き起こしたベストセラー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
40
ようやく今回の読書で、なぜサンデルがコミュニタリアンとして名高いのかつかみとれた気がする。サンデルの立場を素朴に言えば個々人がそれぞれの私利私欲の中に閉じこもり「分断」を発生させてしまうのを食い止め、もう一度それぞれのあいだでねばり強い対話をするように働きかけていくというものなのだとぼくは受け取る(むろん、誤読があるかもしれない)。理想論的と冷笑するのは実にかんたんだが、だがここまで多種多様な主義主張をつぶさに観察し、議論の射程に入れた上で自説を練り上げていく手つきはナメてはいけないとその胆力に唸らされる2024/11/05
ころこ
39
本書の議論には普遍性が感じられず、今までの著者の議論に比べて説得されていない。労働者を代表していた左派政党は能力主義的エリートを代表するようになった。クリントン、オバマに対する反動がトランプだという見方が分量を割いて論じられている。社会的な流動性と機会の平等を確保するための教育が、社会の固定化と格差の拡大を招いているとして批判されている。中学受験をさせる現象が日本においても顕著にみられる。本書で批判されるのは親御さんの意識だ。本人が気の毒なのは、様々な人々と身体感覚を合わせて生活する機会を奪われていること2024/08/07
踊る猫
39
ぼくたちはもちろん社会の中で・他者との関係の中で自分自身を確認して折り合いをつけて生きていく(「相対的に賢い」「相対的に不得手がある」などなど)。そうした個人性・相違が存在することにこそ人のかけがえのなさが保証されているとさえ言える(ぼくは本気で言っている)。だが、そうした要素に不条理を感じるのも人の常というもの。「なぜあいつより劣っているのか」とか。そんな劣等感・不平等を個人の努力だけでなんとかさせるのではなく、社会的な制度や政治思想といったバックボーンから改善していくことを本書は説いていると受け取った2024/05/27
よっち
35
能力主義に垣間見える「やればできる」という言葉に覆い隠された深刻な格差を明るみに出し、新たな階級社会と未曾有の分断が生まれつつある現代社会の「正義」と「人間の尊厳」を根本から問う一冊。残した結果を元に評価される能力主義という現在の原理に対して、機会の平等を実現したとしても、相対的に社会的地位が低い労働階級は、家の経済格差による難易度の違いが厳然としてある。能力があってやる気がある人をしっかりと教育する制度を後押しをするだけでなく、一方で弱者に対しては寛容になれることも重要だということを改めて実感しました。2023/11/08
のん
19
能力主義とは、一般に、家柄などのような本人の意思では変えることのできない属性により生涯が決まってしまう貴族制よりも、公正な制度だと一般に考えられている。 しかし現実には、高額な教育費を支払える富裕層の子は名門私立大学に進学するうえで明らかに有利になっている。現代社会で能力を推し量る最大の目安となる学歴が、親の資産である程度決まってしまうのである。2023/12/20
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- その温度差は反則です!~クールで無表情…




