内容説明
本書はまず重金属という複雑な性質をもった物質が身の回りにこれだけ使われているという「人類による利用」を紹介します。そして、利用の結果、起きてしまった「公害事件」を概観し、生物を襲う「毒性発現の基本的なメカニズム」を紹介します。しかし、じつは、重金属の毒性というのは、「重金属が体に必要」だから生じてしむという複雑な一面があることなどを詳しく解明します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
5
前半は公害の話にかなりのページが割かれています。後半は生物学の話が興味深いです。原発事故により生じた放射能汚染が人間社会に悪影響を与えていく様が、水俣病・イタイイタイ病・東京都六価クロム事件・土呂久鉱害事件などの公害と同じ経緯を辿っていることに、戦慄せざるをえません。重金属や放射性物質のリスクも恐ろしいですが、差別を恐れて自ら口を閉ざす心理に漬け込み被害者を平気で切り捨てる社会構造も恐ろしいです。昭和の公害事件も、原発事故も、決して埋もれさせてはいけないとの思いを強くしました。2014/05/25
ちちもん
0
泉先生の単著。博物館の案内員が説明するかのような文章で読みやすかった。初めにでてきた様々な公害についての章を読んで、まだまだ公害について知らないことがたくさんあると痛感。土呂久に関しては先生が講義でおっしゃっていた通り、我々は全く知らないため大まかにでも内容を知れて良かった。ただ一般向けに書かれている感が強く、毒性発現の機構とかについては薄い気がする。文章中に時々先生の個人的な思い出が出てくる。先生自身を知っているから面白く読めたが、自分が先生を知らないただの読者だったら鬱陶しく感じていそう(笑)2012/12/19
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