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内容説明
差別感情を元にした「犯罪」がより過激化している。最前線の現場で取材を続ける記者が、在日コリアンを狙った2件の放火事件を始め、脅威を増すヘイトクライムがなぜ生まれるのか、社会背景を探る。更に関東大震災時のジェノサイドから現代のヘイトスピーチまで、連綿と続く「民族差別」の歴史から差別の構造を解き明かすルポ。
【目次】
まえがき
第一章 ヘイトクライムの転換点――ウトロ放火事件
第二章 連鎖するヘイトクライム――コリア国際学園放火事件
第三章 脈々と続く差別という「暴力」
第四章 一〇〇年前のジェノサイド――関東大震災時の虐殺
第五章 ヘイトクライムの背景
第六章 ヘイトクライムとどう向き合うか
第七章 ヘイト解消への希望、共生
あとがき
主要参考文献一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
3
ふむ2024/05/11
門哉 彗遙
3
残念ながらヘイトをする人間が僕には理解できない。この本の最後にも書かれていた「まずは出会う」こと。自分とは違う属性の人たちと出会うことがヘイトクライムをなくすための第一歩なんだろう。でも属性一緒でもヘイトするようなやつと出会いたくもない。「マイクロアグレッション」について一言だけ書かれていた。これについては今後しっかり学びたいと思う。2023/10/06
図書館なかの人
2
さすが毎日新聞。権力に忖度するヘタレジャーナリストが跋扈する中、しっかりと取材して慎重に書いている。こういう記者が減ってきたから日本はへんな国になってしまったと感じる。2023/10/08
あにも
1
「ヘイトクライム」という、「差別犯罪」と呼ぶべき事件が多発している事実を、記者らしく簡潔な文体と地道な取材でまとめた一冊。前半では2021年名古屋と京都で起きた放火事件の検証、裁判記録、被告の証言、インタビューを追う。 中盤は100年前の関東大震災時に起きた、流言による在日朝鮮人・中国人虐殺について。後半は再び現在。ネットに蔓延するヘイトスピーチ、それらを街中で拡散するヘイトデモ、朝鮮学校襲撃、脅迫の数々…。羅列すると悲壮感を受けるが、本書では民族差別と戦いつづける人達も取り上げ、希望をつなぐ。2024/12/30
蝮
1
しっかり取材していてとても勉強になった。筆致も信念も確か。2023/10/10