内容説明
★★ note記事に大幅加筆 ★★
「第七回」「第八回」「『幸福人フー』を読んで」は、書籍化に際した書き下ろしです。
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ということで、今回は
幸せとは何か、
という僕の主要な研究テーマについての研究書を書いてみたいと思います。
不幸せではない人生を送る、とかではなくて、幸せとは何か、です。
これはつまり、幸せな人を対象にしなくてはならないのですが、
幸せだと自認している人ってなかなかいないんですよね。
でも、僕は何人か知ってます。
(中略)で、今回もまた幸せ研究がはじまるわけですが、
今回の取材の対象は、なんと僕の妻なんです。
「幸福人フー」と、タイトルをつけましたが、
その「フー」という女性が僕の妻です。
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坂口恭平の「幸せ研究」、今回の主人公は妻の「フーさん」!
坂口さん曰く「自分は『しあわせ』だと自認している人=幸福人」。
そして、「生まれて初めて、自分の鬱を直接、目の前で見せた人」でした。
「不安はないの? 寂しくないの? 虚しくならないの?」
出会いから20年、フーさんをずっと定点観測してきた坂口さんが、
彼女の「しあわせ」の在り方をインタビューしながら探ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
石橋陽子
18
フーちゃんと躁鬱病の僕のご夫婦のお話。僕はフーちゃんの生き方が幸せのお手本だと思い本にした。フーちゃんの育った優しい環境がフーちゃんを作ったのだろう。相手を一切否定しない。無理に励まさない。いつでも味方でいてくれ、困った時にはそっと励ましてくれる。女性の鑑であり人としてそうなりたいお手本だった。20年一緒に過ごしてもただの一度も感情に振り回されることがないという。精神の芯の部分が一切ブレず、自分というものをしっかり持っている。素晴らしい人格者であり、中庸として在るという課題を頂いた気がする。2023/12/08
水色系
18
飼っているとりと同じ名前で嬉しくなったので購入。いい本だった。フーちゃんが柔軟であることに坂口恭平さんは救われていて、対照的だからこそ、相性がいいんだろうな。特に感銘を受けたフーちゃんの言葉→「(…)その人にとっての親友がどれくらいいるのかとか、実態は何もわからないでしょ。そういう時は、私は、自分は孤独で、その人にはたくさん友達がいるとは思わないの。何もわからない、ってだけ思う。(…)」(P35)「他の家族はどうか知らないけど、うちはこのメンバーなんだから、うちらなりのやり方を見つけたらいいの」(P99)2023/10/29
りぃ
6
こんな人が世の中にいるのかあ、と、私も坂口恭平みたいな感想を抱いた。とことんニュートラルな姿勢がすごいなと思ったものの、「隣の芝生は青い」というやつで、坂口さんだからこそ、自分と対照的な性格のフーちゃんが輝いて見えるのかもしれない。2023/09/26
ray
5
☆3 妻、フーちゃんへの感謝と愛情をこめた手紙のよう。著者には彼女が幸せの国のお姫様か強い女神様のように見えている?最後のフーさんの告白で、本当は不安や悩みやイライラも抱えることがあって疲れていたこともあったのがわかる。ただ、そうした時に相談できる人がいて、無理せずできることを誠実にやっていた。それを見せるようなことをしなかったし、相手を思うからこそ、辛さに対して安易にわかった振りをしなかったのかなと思う。彼女を信頼し、選択を尊重し、批判はしない。そして大変になったら助けるから頼ってねというお母様も素敵。2023/10/13
しょうご
4
幸福人になろうと思ってなれるものでなくても、そういう人が身近にいることはとても心強いことだと思いました。2024/09/16
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