内容説明
専制国家ギレアデの中枢に近づく女、司令官の娘、隣国の少女の3人が闘いを選んだとき、強大な国家をも揺るがす。ブッカー賞受賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
61
『侍女の物語』の続編。〈小母〉〈妻〉候補と隣国の少女という三者の視点でギレアデが崩壊へ踏み出すまでが辿られます。彼女達が自身が持つ「ほんのかすかな光」―ギレアデ崩壊後の世界に向けた語りや〈叔母〉の教え・慣習への疑問―だけを頼りに抑圧的な体制下を進む姿には励まされるよう。しかし読み終えて思うのは、リディア小母がギレアデ後の世界へ語るように、この大団円を装うギレアデの物語も「負のスパイラルに陥り」「責める相手を探」し始めた世界の中で、あるかもしれないものとして作者から読者に語られる物語でもあるということです。2026/06/17
Shun
47
ディストピア小説「侍女の物語」から15年後の物語。前作の細部の記憶は曖昧だが本作導入部からのストーリーへの没入感は素晴らしかった。それは独裁国家ギレアデの崩壊を望むとある人物の手稿から始まる。追々この人物の身上は明かされていくが、この資料からすると書き手は国家転覆に尽力した高位の人物でありギレアデの闇を世に暴かんとする勇気ある女性のようだ。徹底した尊厳の剥奪により名ばかりの女性の幸福を謳ったギレアデの統治はまさに女性の力によって変わろうとしていくのだった。前作よりもこの国家の詳細が明らかになる重要な作品。2023/10/15
こばまり
42
歴史上や現実に例のないことは書いたためしがないと明言する作家が、35年を経て描いたその後のギレアデ。期待を裏切らない面白さと恐ろしさ。今のアメリカの在り方に目を向けると尚一層恐ろしい。『侍女の物語』と併せて現代人必読の書。2026/01/23
特盛
35
評価3.8/5。前作侍女の物語より34年間のブランクを経て出版された続編。一人の人物による灰色の独白から、3人の女性視点の群像劇に変化し、物語に奥行きが出ている。前作はオープンエンドで結末を読者の想像力に結末を委ねる形だったが、今作は物語に一つの結末と区切りをしっかり提示しているのはすっきり。物語の舞台となる、独裁国家化したアメリカ(ギレアデ)について、前作出版時1985年にはそんなアホな!という設定だったろうが、トランプ政権を考えると、現代は実にSFめいた世の中であると改めて。2025/09/12
Roko
33
この物語では、アメリカが変貌してギレアデになってしまった世界を描いていますが、これが想像の世界ではなく、現実の世界になりつつあるところが実に怖いです。国家の為といいながら、実は特定の人たちの利権のために国のあり方が変わってしまうなど、あってはならないことです。でも、そうなりつつある国、もうそうなってしまっている国が、世界のあちらこちらにあります。それがいかに恐ろしいかを知るためにも、この本を読んでくれる人が増えることを期待しています。#100分de名著2025/09/15




