文春文庫<br> 世にも危険な医療の世界史

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文春文庫
世にも危険な医療の世界史

  • ISBN:9784167921057

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内容説明

爆笑と恐怖が交互に襲い来る強烈な歴史書

梅毒には水銀風呂! 夜泣きする子にはアヘン! 水難事故にはタバコ浣腸! かつて人類の常識だった残念すぎる医療の全てがここに。

〈最終的には次の簡単な問いを自問するといいだろう。その治療法には、信頼できるエビデンスがあると思うか? 副作用が出ても構わないか? それから忘れてはならない問いがもう一つ──治療費にいくらまで払えるか?
 実のところ、この本は何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。〉(「はじめに」より)

※この電子書籍は2019年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

42
読み友さんの感想から。本日病院の待ち時間がほぼ2時間あり、じりじりしつつ読みました。じりじりしましたが、この本を丁度読み終わった時、朝からロクに休憩もせずずっと患者と向き合い、研究発表もこなしている先生の部屋に呼ばれました。清潔で、説明がわかりやすくて、的確な指示を出してくれて。先生いつもありがとう。21世紀の患者で本当に良かった!…と、2時間の待ち時間ですら感謝の気持ちに代えてくれる本でした。…結構ホラーですよ。2024/06/24

Shun

39
人類が発展させてきた医療の歴史を紐解くノンフィクション。古い記録では古代ギリシャで行われていた治療法も取り上げられており実に興味深い内容でした。そして医術の祖ともいえるヒポクラテスが推奨していた治療法も現代からすればトンデモ医療でしかないが、このような間違いを正していった結果として医学知識は蓄積され、それらの恩恵を現代に生きる我々は享受することができる。危険な医療を施された先人たちには気の毒だがトンデモ医療の歴史は実に面白かった。「健康に問題がある?それなら毒物を飲んで吐くか瀉血して血を減らしましょう。」2024/02/05

燃え尽きタコ

20
歴代のインチキ医療をユーモアのある文章でまとめた本。内容に対する冷静なツッコミでちょくちょく笑った。 第一部の元素と第二部の植物と土までは怖くもなくシンプルに面白かった。過去に薬として使われていた事自体は知っていたが、どういう理論と経緯を元に使われていたのかは知らなかったので興味深く読めた。 第三部の器具から第四部の動物は面白いのは同じだけど、読んでて滅茶苦茶ゾクゾクした。特に器具。 ロボトミーがノーベル賞取ってんの怖すぎんよ。 第五部はよく聞くタイプのインチキ医療に近くなってきてバカバカしく軽く読めた。2024/10/14

ロア

18
「効く気がする!」とか「効くと思う!」という閃き的根拠のみで突き進むパラケルスス他の皆様方(^ω^)いやいや…でも、昔の人を笑っちゃいけない。昔の患者様たち(~20世紀含)が進んで人体実験に(知らずに)熱心に参加してくれたお陰で、我々はその恩恵を受けることができているんですから。とは言え、今の私たちだって100年後の人たちが見たら「バカなことやって!(笑)」て思われることいっぱいしてる思う。例えばアレとかソレとかコレとかとか~(*´ω`*)挿絵や挿写真に添えられた短文のナンセンスさに笑っちゃいました。2023/12/06

inarix

8
ドイル、ヴェルヌ、デュマ、イプセン。有名作家たちを虜にし、影響を与えた10%アルコールと8%のコカインエキスが入ったマリア―二・ワイン。あなたが19世紀後半に書かれたダラダラとやたら長い小説を読むときに思い出してほしい。コカインは大胆な意思決定を促すが、小説家の場合文章を編集しなくなる。ラドンが溶け込んだ水を飲み、出血多量の患者にブランデーを注射し、頭痛にはこめかみに焼きごてを当てて――古代から割と最近まで真剣に試みられていたトンデモ医療の数々を網羅。涙ぐましい医療と科学の進歩に思わず感謝する一冊です。2024/04/13

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