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内容説明
戦国時代を終わらせた軍事革新とは?群雄割拠の戦国時代、並み居る武将たちを従え、天下統一を成し遂げた織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。彼ら天下人は、いかにして軍事的・政治的勝利を収めるに至ったのか。本書は、3人が成し遂げた軍事革新を明らかにして、戦争と統治の本質に迫るものである。具体的には、織田軍の革新性、長篠の戦いで鉄砲よりも注目すべきこと、秀吉の奇策や大軍移動を可能にしたシステム、なぜ秀吉はデスクワークを重んじたのか、家康の性欲を減退させるほど苦しめた武将とは、家康の幕府防衛構想……など。戦国時代はどのように推移し、終焉したのか。その答えがここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
54
面白かった。著者は、東京大学史料編纂所教授で文学博士の本郷和人先生。先生の本は6冊読了済。「歴史のIF(もしも)」「日本史を疑え」「合戦の日本史」など、従来の教科書的な日本史にない視点のアプローチが好きです。優れた軍事指導者は能力のある政治家・経済人でなければならないとの観点から、大軍を率いて覇を唱えた天下人「織田信長・豊臣秀吉・徳川家康」がいかに軍事革新を成し遂げたかを詳らかにした一冊。NHK大河ドラマ「どうする家康!?」を思い出しました😅2025/01/22
akiakki
8
軍事という視点で三英傑が革新的だった点を端的に解説しています。信長は日本というグローバル視点と鉄砲を最大活用する野戦築城普請、秀吉はロジスティクスを背景にした大軍運用、家康は戦時から平時への体制移行。個々のエピソードは有名なものばかりでしたが、軍事的革新性というテーマに繋がるよう整理されているため、三英傑が果たした役割から戦国期の解像度が上がります。ドリフターズとへうげものを読み直したくなった。2025/04/25
つわぶき
8
戦国の三英傑の軍事行動が以前のものとどの様に異なっていたかを解説する本。日本戦史において、火力と障害の連携や大規模な兵站組織の誕生等が発生したのもこの時代であり、そこには鉄砲伝来の影響の大きさも窺い知れる(ヨーロッパでも火器の出現によって大量動員の必要性が向上し、やがて近世の集権国家が誕生した経緯も思い出しつつ。)。また、戦術次元で考えると、豊臣秀吉による、大規模兵力の集中的かつ迅速な機動による主動性の獲得には目を見張るものがある(当時からすれば異次元だろう。)。現代にも通底する軍事的教訓の存在を感じた。2023/06/13
オールド・ボリシェビク
7
本郷さん、本当によくこれだけの本を出せるな。本業の方は大丈夫かよって、余計な心配をしてしまうが、一般の、歴史好きな読者にこのような本を提供し続けることは大切だとも思う。信長、秀吉、家康。この3人の比較などという本はそれこそ山のように出ているが、ここでは「軍事思想」的な側面から、どこに革新性があり、何故に勝ち抜くことができたのかをたどることに新味がある。通説への異議申し立てなどもあって面白く読んだ。2023/03/29
すうさん
5
大河ドラマ「どうする家康」にあやかって出したのだろう。武将が軍事行動をするとは、企業経営者が組織運営をすることと同じ。それは「ヒト・モノ・カネ」の面で読み解ける。時代を先取りしたり、時代をうまく利用したりと彼ら独特の性格は行動にも大きく影響した。もしも自分が彼らだったり、彼らのライバルだったり、彼らの部下だったりと想像してみると経営判断の良い材料になる。戦国乱世を切り開き、時代の頂点に立って動かし、安定後も未来へ向けてどのように策を講じてきたかを知ると事業の盛衰を見るようだ。経営者には一読を薦める。2023/05/19
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