アルファポリス文庫 ３日戻したその先で、私の知らない１２月が来る

著者名：木立花音【著】/サコ【イラスト】

アルファポリス（2023/09発売）

• ISBN：9784434324796

内容説明

三日間だけ時間を巻き戻す不思議な能力「リワインド」を使うことのできる、女子高校生の煮雪侑。侑には、リワインドではどうすることもできない幼少期の苦い思い出があった。告白できないまま離れ離れになった初恋の人、描きかけのスケッチブック、救えなかった子猫――。そんな侑の前に、初恋の人によく似た転校生、長谷川拓実が現れる。明るい拓実に惹かれた侑は、過去の後悔を乗り越えてから、想いを伝えることにした。告白を決意して迎えた十二月、友人のために行ったリワインドのせいで、取り返しのつかない事態が起きてしまい――!?　「第５回ライト文芸大賞」大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[遠宮にけ❤️nilce]

ウェブ版読了後書籍版を読む。時間を遡る能力を持つということは、物事に対して責任を背負い込みすぎることでもあるんだなと感じた。何事かには能力を使い、また別のことには使わないという判断の余地ができる。使ったらその後の影響に対して、使わなければ使わなかったことに対して責任を感じる。能力を使える（選択ができる）人間は私しかいないとしたらそれは尚更のっぴきならないものになるだろう。そうなるとギフトのようでいて呪いだ。初めての恋を自覚したばかりの少女がクライマックスで背負い込む大きな苦悩に胸が痛んだ。

2023/09/12

[葛城騰成]

Web連載時から追っていた作品だったので、書籍化がとても感慨深い作品でした。時間を巻き戻すことができる「リワインド」能力を持つ主人公の女の子が、幼少期から重ねてきた後悔に向き合っていく物語でした。後悔を解消していく中で描かれる人間模様が魅力的な作品で、親友と同じ相手を好きになってしまったり、バドミントン部のエースと繰り広げるライバル関係だったり、度々電車内で出会うお姉さん意外な真実だったりと、謎や見所が満載の作品だったように思います。とても良い読書時間でした。

2023/12/03

[和尚]

少し不思議な力で「もしも」を辿って、考えて、成長していく主人公。 最初の設定で、もしかしたら、とは思ったのですよね。少しずつの違和感と、そして、やっぱり、からの後半の展開は流石の一言で、面白かったです！ ループもの、という訳ではなくて、設定を生かした青春恋愛、そして家族モノ、ですかね、僕は好きでした、おすすめです！

2023/11/05

[シャトーブリアン]

★★★★★☆ 最高の家族愛をありがとう！！ 時間を巻き戻す“リワインド“という力を見て購入に悩む人もいるかと思いますが、この能力を抜きにしても登場人物の後悔や葛藤の描写がとても心に刺さり読者を飽きさせない物語の展開になっていた！ キャラの魅せ方が上手い！第一印象最悪なキャラも読んでるうちに･･･この子めっちゃ良い子(涙) 序盤～中盤でも面白いのにクライマックス･･･やばい。全く予期せぬ素晴らしい展開！

2023/09/23

[夏目みもり]

リワインドと呼ばれる3日間時間を巻き戻す能力を持つ主人公が友人関係や恋愛の問題を解決していく物語。王道的な青春小説にリワインドと呼ばれるSF的な設定が上手く融合されていてちょうどいいスパイスになっていると感じた。

2024/03/20