内容説明
40代で母親になって考えた。「この子に残せるのは、“何かを自分で作り出せる実感”だけかも」。そこから不器用ナンバーワンの著者による小屋作りが始まる。コスパ・タイパはフル度外視。規格外の仲間たちと手を動かすほどに「世界」はみるみるその姿を変えていき……。暮らしと思索が響き合う、軽快ものづくりエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
71
都心から離れた山梨県の田舎に土地を探し、DIYで小屋をつくる。この家族プロジェクトは、効率主義の世の中の流れに抗して、「ものを買う」以外の選択肢を持つこと、自分の娘に田舎をもたせることで始まる。土地の測量にはじまり、水平器を使っての土地ならし、自家製でコンクリートを練ったり、「2×4工法(ツーバイフォー工法)」で小屋を組み立て、インパクトドライバーでビスを打ったりする。小屋作りは家族を結びつけ、本来ならば出会わなかった人たちを引き寄せ、同じ場所で同じ時間を共有する。→2024/11/21
pohcho
62
ご結婚されて40代で母親になった川内さん。娘のために自然の多いところに手作りで小屋を建てたい。そんな思いつきから始まった川内家の一大プロジェクト。DIY工房で娘の机を自作するところから始まり、実家の床張りをして(それだけでもすごい)山梨に土地を見つけ、本当に一から何年もかけて自分たちの手で小屋を完成させる。自作の窓とかコンポストトイレとかいろいろと興味深かった。ヘリンボーンの床も素敵。小屋づくりを通して出会った人達も皆それぞれに素敵な方ばかりで、ご縁の大切さや助け合って生きていくことの素晴らしさを感じた。2024/03/08
ぶんこ
43
不妊治療の末にやっと授かったナナちゃん。自然の中で子育てをしてみたいと山小屋を。考えはしても実行にまではいかない人が多い。有緒さんはやってしまった!しかも、かなりアバウトなのに、周りの人が自然と手助けしているのもすごい。プロ大工さんの丹羽さん、建築家のタクちゃん、ソネッチなどなど。みんなでわちゃわちゃしながらが楽しいからでしょう。ナナちゃんも健やかに育っていて、遊びも空想爆発!不器用で面倒くさがりといいつつ、ワークショップで技を鍛え、実行に移している。失敗にくよくよしないのもいいですね。面白かったです。2024/03/06
ばんだねいっぺい
27
川内さんの本だからと内容も知らずにパラパラとめくる。夢中になる。子どもの話になるかと思えばそうではなく、川内さんの目の向く先がくるくると変わって、セルフビルドの話が、結局、人間の話になってるところが、とってもよい。2024/05/10
檸檬の木
19
仲間たちの手も借り小屋を作った夫婦と娘の記録でした。小屋を作る事が生きる力となり娘を成長させてくれるかもしれないと思ったからだ。小屋は年数をかけ建てられたが、その間に娘は成長していき、一方で家作りの仲間も増えていった。単なるDIYで家を作る本ではなく、親子の成長の記録と仲間作りの本である。ここに出てくる仲間たちは、楽しそうに家を作り、また人生を謳歌している人たちでした。自分で目的を作り、どうなってものD、いいからのI、やろうのY、DIYの精神を発揮し、人生を生きていく事を教えてくれる良書でした。⭐︎52024/01/04