新潮文庫<br> ちよぼ―加賀百万石を照らす月―(新潮文庫)

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新潮文庫
ちよぼ―加賀百万石を照らす月―(新潮文庫)

  • 著者名:諸田玲子【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2023/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101194387

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内容説明

女子(おなご)とて、闘わねばならなかった。信長と前田家に敗した朝倉家臣の娘・幾世は長じて正室まつの侍女として前田家に入り、千代保と改名。初代加賀藩主・利家に見初められて側室になり男児を産む。猿千代と名付けられた子はのちに名君・利常となるが、母千代保は人質として江戸へ向かった――。加賀百万石の礎を築き、寿福院の名で親しまれた、慈愛と情熱に満ちた女傑の生涯を描く歴史時代小説。(解説・本郷和人)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

29
加賀百万石の前田利家とまつの物語は大河ドラマで知っている。しかし、まつの長男、二代目の利長に男子がなく、三代目を側室・千代保の息子、利常が継ぎ、幕末へ至るとは知らなかった。彼女の波乱万丈の人生を描く。この経緯では、千代保と利常には逆風が多かったろう。賢明なはずのまつがここでは鬼である。前田家中には様々な出自の女性がおり、千代保の優しさが、彼女たちを味方にしていく様が丁寧に描かれる。豊臣から徳川へ移る時代、前田家は何度も危機に瀕し、多くは千代保の努力で難を逃れる。千代保と大工との邂逅を語る最終章が泣かせる。2023/11/13

Sakura

12
大河ドラマ「利家とまつ」を思い出しながら、そうか、正室まつの血は続かず、側室のちよぼの血が幕末まで継がれていったのか、と驚いた。良妻賢母のイメージでいたまつが本作ではちよぼを敵視していて、人間味にあふれている。二人の心のすれ違いがとてもリアルだった。2024/03/11

新田新一

10
加賀藩前田利家の側室となり、前田家を支え続けた女性寿福院の一生を描いた歴史小説。目まぐるしく移り変わる時代の中で凛とした姿勢を貫いて生きた寿福院の一生は、見事というしかありません。利家の正室や側室同士の葛藤に巻き込まれても、嫉妬や恨みという感情は持たず、周りの人を支え続けます。寿福院は魅力的な女性だったらしく、多くの男性から思いを寄せられました。例えば、陶芸家の本阿弥光悦。利家という夫がいるので、彼らと恋仲になることはありません。でも、お互いに憧憬は持ち続けます。この純愛の描写が美しくて、切なかったです。2023/10/03

coldsurgeon

9
前田家加賀百万石は、利家とまつの子供・子孫が、江戸時代を通じて党首として引き継いでいったと思っていた。しかし、異なっていたのだ。側室千代保の子が、引き継いでいいた。その千代保を主人公として、安土桃山時代から江戸時代初期に、凛として生き、加賀の礎を築く大きな役割を果たす物語だった。必ずしも勝者になれなかった人々に目を配り、淡い初恋の想いを胸に秘め、生き抜いた姿を称賛するだけだ。よい物語を読むことができました。2023/10/08

fukufuku

7
前田利家の側室で、加賀前田三代目藩主利常の母である寿福院。利家はほんの少ししか登場せず、正室まつ女はヒール味のある扱い。寿福院と親交があったり因縁がある人々とのオムニバスっぽい形式で語られる物語。利長に子がおらず、利政が残念な感じで、加賀前田家はその後寿福院である千代保の血筋が受け継いでいくこととなるため、なかなか興味深い人生を歩んだ女性ではある。光悦とか大工とかのほんのりとしたロマンスは必要だったのかは疑問。本編とは何の関係もないが、装画の千代保が志田未来さんにめっちゃ似てる。2025/03/22

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