リアライン―ディスラプションを超える戦略と組織の再構築

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リアライン―ディスラプションを超える戦略と組織の再構築

  • ISBN:9784492962213

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内容説明

デジタルディスラプション&ポストパンデミックの時代に合わせて、事業戦略や組織の体制を「リアライン(Realign)≒再構築」することの重要性を説き、具体的な解決策を提供する本。
パーパスと戦略、そして組織の整合性の重要性が多くの人に理解されている一方で、どうすればそれらをうまく整合させられるのかを具体的に知っている人は少ない。本書はこの問題に対する処方箋として、通常は個別に議論されることの多いパーパス、事業戦略、組織ケイパビリティ、組織アーキテクチャー、経営管理システムを包括的に語っている。特に組織に関する要素を組織ケイパビリティ、組織アーキテクチャー、経営管理システムの3つに区分けし、具体的な事例を交えて説明している点は非常に実践的である。
著者は最適な戦略や組織が常に1つだけではないことを指摘しつつ、単に「状況による」と述べるだけでなく、戦略と組織をいかに整合させればよいかを具体的に考察するための軸を「戦略的アラインフレームワーク(SAF)」として提示している。SAFが軸に据えている、連携性と自律性、安定性と俊敏性という4つの要素はすべて戦略上重要だが、連携性と自律性、安定性と俊敏性はトレードオフの関係にあるため、自社がどの要素において秀でたいかによってとるべき戦略的アプローチは異なる。それぞれの戦略的アプローチにおいて必要な組織ケイパビリティや組織アーキテクチャー、経営管理システムが、多様な事例を交えて説明されている。
著者はオックスフォード大学のサイードビジネススクールで教鞭を執る傍ら、日本を含む各国で企業幹部の育成やコンサルティングも行ってきた。そのため本書は、実践と理論が高度に融合しており、日本企業への洞察も随所に表れている。
成功のシンプルな法則ではなく、組織の状況と目標に合わせて最適な戦略と組織を構築するための指針を提供する本書のコンセプトを理解し、SAFを適切に適用することで、読者は自社に合った戦略を構築でき、その戦略の実効性は飛躍的に高まるだろう。
巻末には日本語版オリジナルで著者・ジョナサン・トレバー博士(オックスフォード大学准教授)へのインタビュー「日本企業における戦略的リアラインの捉え方~DXはリアラインをどのように加速させるのか?~」(聞き手:監訳者・早稲田大学池上重輔教授+NTTデータ経営研究所Re:Align研究チーム)を収録。

目次

日本語版序文
はじめに
第1章 戦略的アラインの概要
1.1 どこかで聞いた話?
1.2 戦略的アライン
1.3 戦略的アラインが実現した企業内バリューチェーン
1.4 アラインがパフォーマンスに直結するなら、ミスアラインはリスク
1.5 アラインによって混乱を乗り越え、業績を向上させる
第2章 戦略的リアライン
2.1 必要は発明の……いやリアラインの母
2.2 戦略的リアライン
2.3 戦略的リアライン、リーダーシップの課題
2.4 戦略的アラインフレームワーク
2.5 戦略的リアライン、リーダーシップの機会
第3章 企業パーパス
3.1 なぜ企業パーパスが必要なのか?
3.2 企業パーパス
3.3 企業パーパス、リーダーシップの課題
3.4 パーパスによって企業を導く
第4章 事業戦略
4.1 戦略とは、何の戦略か?
4.2 事業戦略
4.3 事業戦略のアライン、リーダーシップの課題
4.4 戦略的アラインフレームワーク、事業戦略
4.5 事業戦略のリアライン、リーダーシップの機会
第5章 組織ケイパビリティ
5.1 正しい意図、誤った実装
5.2 組織ケイパビリティ
5.3 組織ケイパビリティのアライン、リーダーシップの課題
5.4 戦略的アラインフレームワーク、組織ケイパビリティ
5.5 組織ケイパビリティのリアライン、リーダーシップの機会
第6章 組織アーキテクチャー
6.1 得体が知れない
6.2 組織アーキテクチャー
6.3 組織アーキテクチャーのアライン、リーダーシップの課題
6.4 戦略的アラインフレームワーク、組織アーキテクチャー
6.5 組織アーキテクチャーのリアライン、リーダーシップの機会
第7章 経営管理システム
7.1 戦略的でもなければ統合されてもいない
7.2 経営管理システム
7.3 経営管理システムのアライン、リーダーシップの課題
7.4 3つの経営管理システムの再設計にまつわる物語
おわりに
謝辞
APPENDIX――日本語版オリジナルコンテンツ
著者ジョナサン・トレバー博士へのインタビュー
日本企業における戦略的リアラインの捉え方
~DXはリアラインをどのように加速させるのか?~
『リアライン』の日本語化を終えて
監訳者あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Naohiko Oikawa

2
組織は戦略に従うのか、戦略は組織に従うのか。 この古典的でありながら、今日も数多くの企業の経営を悩ませる問題に対して、「安定性(業務のバリエーションや変動を制限し混乱を回避)↔︎俊敏性(変わりやすい状況に迅速かつ容易に順応)」と「自律性(意思決定を自ら実行し独立して行動)↔︎連携性(部門や外部パートナーと連携)」というトレードオフ関係にある二つの軸から現れる4つのアプローチに基づいて、戦略と組織を一致させることを提唱している。 企業経営の実務における課題解決の経験を、学術研究の豊富なレビューが支えている。2023/10/01

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