内容説明
その日、東京は戦場になった……。『官邸襲撃』の著者が描く、衝撃のクライシス小説第二弾。夏目明日香は、一年前の官邸襲撃事件のトラウマを抱えつつも、総理付きSPとして復帰した。一方、総理の新崎は、欧米で立て続けに起きたテロ事件に対抗し、〈テロ撲滅世界会議〉を東京で開催すると宣言。しかしその結果、東京がテロの標的となることに。そんな中、六本木で最初の爆発事件が起きた……。さらに国際会議を守るべく奮闘する明日香たちの作戦はテログループに漏れ、対策は後手に回り続ける。裏切り者は誰なのか? そして会議の開催の行方は!? 本当に日本は安全なのか、安全保障対策は万全なのかをあらためて問いかける、首都・東京の危機を描いた傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
高嶋さんの「官邸襲撃」に続くもので今回は、日本でテロ撲滅会議を開くということで、世界の首脳が集まってくる東京での舞台になります。前回に出た、女性SPやワシントン・ポストの記者が再度登場します。アラブ系のテロ組織やさらにはアメリカ副大統領の陰謀などが重なったりして混迷を極めます。まあ最後は日本の女性首相もけがをしたりしますが、どうやら無事に会議も終了します。ただ女性SPが左遷され民間の巡査になってしまいます。これで終了ということなのでしょう。2024/04/30
ウッディ
92
テロ撲滅を宣言するための首脳会談が行われる予定の東京で、イスラム過激派、日本赤軍の残党、米大統領の暗殺を企てる勢力が手を組み、爆弾テロを仕掛けてくる。警察は一体何をしているのかと言いたくなるほど、東京のあちこちで次々と爆弾テロが起こり、スナイパーがVIPを狙うという異常事態に、現実味を感じない自分は、平和ボケしているだけなのか?総理SPの明日香の活躍と、総理の責任を果たそうとする新崎、サプライズゲストのマリナとエリーゼなど、女性の活躍と格好良さが際立ったお話で、ツッコミ所は多々あったが読み応えがあった。2024/02/14
みも
91
『官邸襲撃』続編。今作の人物造形や人間関係が前作に依拠するところが多く、やはり前作読了がベター。全編に亘る「テロには絶対屈しない」とのメッセージが作品の基軸。プロットはよく練られているが、いかんせん大風呂敷を広げすぎた。主人公の女性SPがテロリストに対し引金を引く事に躊躇する一方、テロが頻発し過ぎる為、死傷者は人の血の通わない数字に過ぎなくなる。その為、どんな惨状も表層的になりリアリティに欠け感動には至らず。せめて最後のスピーチは全文掲載にすべきだった。このスピーチ内容が感動を生むか否かの肝だったと思う。2023/12/07
ゆみねこ
72
世界中で立て続けに起きたテロ事件に対抗し[テロ撲滅世界会議]を東京で開催することに。その結果東京がテロの標的として狙われることに。都内のあちこちで爆破事件が起こり会議の目玉として招かれていた元少女兵母子の命が狙われることに。命を投げ出すことに躊躇いのないイスラム過激派と、彼らを支援する日本人。そして黒幕は…。とにかく人が大勢犠牲になる。こんな事態が起こらないことを願いつつ読了。ハラハラドキドキの1冊。2024/02/07
PEN-F
44
差別のない世界を夢見ながらも、一向に差別が無くならない世界なのに、テロだけはいつも無差別。2023/10/03