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内容説明
第63回講談社児童文学新人賞佳作入選作、待望の書籍化!
亡き母が愛した、海光祭を復活させたい!
三船七海は海光小学校の6年生。1歳の時、東日本大震災で母と祖母を亡くし、祖父と母の妹・汐里さんと暮らしている。ほとんど母の記憶のない七海だったが、母の同級生から、母が熱心に取り組んでいた海光祭のことを聞く。それは地域の人たちの協力を得ながら作り上げる、海光小の大イベントだったが、震災後はとだえ、開催されていなかった――。
震災から10年が経ち、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、七海の新しい挑戦がはじまる!
東日本大震災遺児の喪失と再生の物語。巨大すぎる現実に創作で立ち向かう作者の勇気とそれを支える筆力に敬服した。
――児童文学作家・安東みきえ(講談社児童文学新人賞選考委員)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
24
主人公は東日本大震災の被災地で育った小学六年生。母との記憶のない彼女が、面影を求めるなかでめぐり会いを重ね、意外な素顔を知り、その真っ直ぐな生き様に自分を重ねていきます。圧巻でした。祖父と暮らす少女が亡き母の信条を道標にして不安や葛藤を越え、立派になっていく展開。これだけでも凄いのに、それを支える大人たちをはじめとした周囲の人々がまた魅力たっぷりなんです。同級生の少年の思いがけない言動にも、グッとくるものがあったな~。こんなの手放して礼賛する以外にどうしろっていうんです。(対象年齢は11歳半以上かな?)2023/09/25
ふう
11
思い出がだんだんと形をはっきりと、色を濃くしていく構成が素晴らしかった。それぞれの登場人物に人生の起伏があって、ちゃんと児童書らしく前を向ける結末に収束していくのがよかったです。2023/10/06
夏海
6
涙腺崩壊しました。私は身近に被災した人がいなかったけれど、被災地では家族や大切な人を亡くした人がこんなにたくさんいらっしゃるんだなと改めて感じました。子どもたちの生きるエネルギーに元気をもらえました。色々なことに思いを馳せた一冊です。2023/09/04
vodka
5
綺麗な色の表紙。小さなエピソードの積み重ね、過去と今の重なり、震災とコロナ。優しい物語。2024/09/09
如月小町
5
すごく良かった。東日本大震災で母と祖母を亡くした小学6年生の七海が主人公。母の記憶が無い七海が、母の同級生から返された交換日記を読んで、まわりの人に助けられながら前に進んでいく。…七海のお母さんが男前すぎて笑ったり、いろいろな出来事に涙が出たり、そして最後は感動した。児童書だけど、大人にも読んでほしい本。2024/08/30