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内容説明
それは、恋とは違う。
もっと神聖な気持ちだ。
私は神様を慕うように、ライトに夢中になったのだ。
だから、いつも、近くにいたかった。
誰よりも、そばにいて、もっと心を通わせたかった。
高校生になった今でも、あんなに誰かに夢中になることは、もう、二度とないだろうと思っている。
私にとってライトは、今でもそういう特別な存在だ。【菜摘】
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あの瞬間、僕の味方は、ライトだけだと思った。
この関係を絶対に大事にするんだと、切実に思ったことを僕は今でもよく覚えている。 【リク】
(本文より)
ライトは神様。ライトは天使。人間のふりをしているだけで本当は……。リクと菜摘はそれれのぞ心の中を瞬時に見抜いたライトに強烈に惹かれ友達になりたいと願う。そして、学校では互いに知らん顔、でも放課後はライトの家で集まる3人の秘密の友情関係が始まる。
1 リクの野望
2 菜摘の衝撃
3 リクの歓喜
4 菜摘の幸福
5 リクの絶望
6 菜摘の努力
7 リクの憂鬱
8 菜摘の後悔
9 リクの熟考
10菜摘の困惑
11 リクの暴露
12 菜摘の本心
13 リクの最悪
14 菜摘の変化
15 十七歳のリク
16 十七歳の菜摘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
91
児童書。YA。表紙にダマサレてはいけない闇系青春もの▽小学6年生12歳のリクは叔父さんの恋人に一目ぼれして、真剣に将来について考えている。父親からの理不尽な教育虐待も、大人になって愛子さんと結婚する為なら耐えられると思っていた。美人を鼻にかけ暴言を繰り返した結果いじめを受けるようになった菜摘(なつみ)は自分が強くあればいいと思っていた。だけど「自分を理解してくれる」ライトに出会った2人は仲良し3人組になる▽びっくりのブラック展開に読む手が止められませんでした。やばい。2023年8月2023/10/24
みつばちい
31
親子の問題と友達関係、恋愛などのテーマをいつもうまく絡ませて描く草野さんの真骨頂。叔父さんの恋人を好きになったリクと、思ったことを口にして周囲に嫌われている菜摘。2人は自分の誰にも言えなかった思いを礼斗に気づかれ、そのことから友達になりたいと強く思うようになり、それぞれ礼斗の家に通う様になる。ある日様子がいつもと違う礼斗からとあるパーティーに誘われて、、?それぞれが家庭に悩みがあり、それを見せずに孤独に戦っていて、あることをキッカケに本心を出せる様になるのだが、途中危ない方向に行きそうでハラハラした。2024/02/04
雪丸 風人
20
個性的な少年と少女の視点で交互に描かれた物語。つらい現実を生きていた3人の小学6年生が、風変りな交流を続けるなかで、いつしかヤバイ計画に魅せられていきます。不穏な空気が漂いだす中盤から、がっつり心を持っていかれましたよ。途中で「これ禁書にした方がよくない?」などと感じましたが、完全に誤解でした。特に終盤に込められたメッセージが素晴らしい!子どもたちだけでなく、親世代にも学びが多い作品ですね。大切な人をなくさないために、何を心がけたらいいのか?その答えがこの本の中にあります。(対象年齢は12歳以上かな?)2023/09/18
奏
14
子どもの自分ではどうしようにも解決できない問題をかかえた3人の子どもたち。危うい方向に心が傾いてしまいそうになるけれど、そこからどうやって違う選択をしていくのか?最高のともだちってどんな存在なのだろう?2023/11/26
遠い日
8
取りようによっては明るいイメージで捉えることもできるこのタイトル。けれども、草野たきの創る世界がそんなわけがなかろうと構える。リク、ライト、なっちんの3人にはことばにし難い親との葛藤があった。自分を鎧って過ごしてきた12歳たちだ。リクは父による教育DV、ライトは自分を置いて出て行った母が憎い、なっちんは引きこもりの母親が許せない。そんな3人が新しい自分になりたくて、ライトの提案に乗ろうとする危なっかしさ。再生の意味が恐ろしすぎる。別れから始まった友情が本物になるまでの時間、もがいた彼らの貴重な軌跡。2023/10/24