グレート・サークル

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グレート・サークル

  • 著者名:マギーシプステッド【著】/北田絵里子【訳】
  • 価格 ¥4,070(本体¥3,700)
  • 早川書房(2023/08発売)
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  • ポイント 1,110pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152102621

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内容説明

幼い頃から空の世界に魅了されていたマリアン。空軍での従軍を経て、生涯の夢である地球一周飛行挑戦の途上、彼女は消息を絶った──50年後、ハリウッド映画でマリアン役を演じるハドリーは、明かされることのなかった秘密に近づいていく。英国最高峰ブッカー賞最終候補作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

49
物語の楽しさを存分に味わわせてくれる超大作。一人の飛行士のみならず、その周囲の人間の人生を含めて波乱曲折のスペクタクルを堪能できた。実に豪奢な作品である。しかし、如何せんあまりにも肥大化しすぎており、「奢侈」と言う言葉も似あいそうだと感じたのも事実だ。無駄が多いとは言わないが、果たしてここまで量感を持たせる意味があったのだろうか。大河ドラマのような面白さはあっても、歴史に残る名作と感じられるほどのダイナミズムはなかった。半分のページ数でももっと印象に残る作品は多い。傑作ならぬ、良作止まり。2023/08/22

小太郎

34
800頁超の大作に、初めは戸惑っていましたが読み続けるともう後が気になっての一気(と言っても2日がかり)読みでした。正しく大河小説とはこんな本の事を言うのだと思います。主人公の女性パイロット、マリアンの波瀾万丈の一生を描き切った一冊でした。少々長すぎかなと思う所もありますがそれを含めての至福の読書時間でした。特に脇を固める登場人物のキャラ立ち。大戦前後の史実を巧みの融合した歴史小説としての読み応えなど、終わりそうで終わらない何処までも続く物語に魅了された2日間でした。★4.52024/03/22

星落秋風五丈原

27
グレート・サークル(大円)とは球を完全に二等分したときその切り口に現れる円のこと。空の世界に魅了されてきた命知らずの女性パイロットマリアンが、南北の極点を経由する大円に近いルートでの地球一周飛行に旅立つ。本編はパーツを組み立てて飛行機が飛び立つように深い味わいの物語が組み合わさって一つの大河物語を成す。舞台はモンタナ、シアトル、スコットランド、ヴァンクーヴァー、アラスカ、ニューヨーク、イングランド、ニュージーランド、ハワイ、北極/南極、ロサンゼルス、陸、海、空を網羅しており、グレート・サークルを描く。2023/09/30

だいだい(橙)

22
過去3年に読んだ小説の中でトップ3に入る秀作。作品の長さには意味がある。マリアン・グレイブスという戦前から戦後を生きた架空のアメリカ人飛行家が第一の主人公。映画でマリアンを演じることとなった女優のハドリーが第二の主人公であり、マリアンとその周辺の真実を知っていく(意識的にでなく、偶然)語り手となっている。マリアンは当時としては異質な女性だが、その周辺に弟ジェイミーの初恋の女性サラなど、平均的な価値観の女性を置くことで作品としてバランスがとれている。ラスト5%の展開といったら。ネタバレなしで読んで欲しい。2024/01/06

アヴォカド

20
これは面白かった!話の大きさ、物語性、構成、個々のキャラクター、ストーリー…最初そうでもなかったのに、読み進むにつれ、どこへ行くんだろう?とどんどん取り込まれていく。戦時下の女性パイロット、という目立つトピックだけでなく、アイデンティティー、どう生きるか、性自認、恋愛感情やその切なさまでも盛り込まれている。ここへ辿り着くためには、この長さが必要だったなと思う。とてもよかった。円は見事に完結。2023/09/21

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