講談社現代新書<br> 中流危機

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講談社現代新書
中流危機

  • 著者名:NHKスペシャル取材班【著】
  • 価格 ¥957(本体¥870)
  • 講談社(2023/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065332535

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内容説明

かつて「一億総中流社会」と言われた日本。戦後、日本の経済成長を支えたのは、企業で猛烈に働き、消費意欲も旺盛な中間層の人たちだった。しかし、バブル崩壊から30年が経ったいま、その形は大きく崩れている。
2022年7月内閣府が発表したデータでは、1994年に日本の所得中間層の505万円だった中央値が2019年には374万円と、25年間で実に約130万円も減少した。もはや日本はかつてのような「豊かな国」ではなく先進国の平均以下の国になってしまった。なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか。「中流危機」ともいえる閉塞環境を打ち破るために、国、企業、労働者は何ができるのか。その処方箋を探った。

【プロローグ】稼げなくなった中間層

第1部 中流危機の衝撃
第1章 幻想だった中流の生活
第2章 夢を失い始めた若者たち
第3章 追い詰められる日本企業
第4章 非正規雇用 負のスパイラルはなぜ始まったのか

第2部 中流再生のための処方箋
第5章 デジタルイノベーションを生み出せ
第6章 リスキリングのすすめ
第7章 リスキリング先進国ドイツに学ぶ
第8章 試行錯誤 日本のリスキリング最新事情
第9章 同一労働同一賃金 オランダパートタイム経済に学ぶ
【エピローグ】ミドルクラス 150年の課題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

74
今年の8月に発行された本書が、1ヶ月余で3刷りを重ねている。NHKで放送されたと言うこともあろうが、大方の関心を引くテーマでもある。失われた20年が、同じく30年になろうと言われている現在、専門家は言うに及ばず様々な分野からこの日本経済の現状に対して提言やら対策がなされた結果について、素人はただほんの「感想」を述べることしかできない。一言で言えば、高度成長期の成功事例に固執して、その後不況が続いても微修正を加えるのみで、それまでの枠を越えて、方向を転換するというようなことができなかったことに全てがあるので2023/10/16

Ikutan

63
全世帯の所得分布の中央値が1994年に505万円だったのが、2019年には374万円とバブル崩壊後の25年間で130万円も減っているという。このショッキングなデーターから、負のスパイラルによって、増え続ける「稼げない中間層」の存在が浮き彫りになってきている。NHKの取材陣が制作した番組を元に、この中流危機の現状を分析し、処方箋として『デジタルイノベーション』『リスキリング』『同一労働同一賃金』が挙げられている。特に、「学び直し」こそが″中流再生"のカギとして「リスキリング」の解説は勉強になった。2024/01/06

KEI

37
本屋でたまたま題名を見て手に取る。円安もあるけど諸外国に比べこの25年で世帯所得が急減している。生産性向上、非正規雇用、デジタル対応の遅れなど、ずいぶん前から言われていることが要因になっている。第2部では対処としてリスキリングがもとめられるとのこと。政策として成長分野デジタルスキル取得に注力するべきではないかとのこと。個人としても苦手意識をもたず挑戦する姿勢でいないとと自戒。デジタルスキルは無理かもしれないが。2023/10/19

よっち

34
なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか。中流危機ともいえる閉塞環境を打ち破るために、国、企業、労働者は何ができるのか番組での取材をもとに考察する一冊。25年で実に130万円も減った所得中間層の中央値、以前のようにはいかない収入増、コストカットを迫られる会社、非正規雇用の負のスパイラルといった現状。対策としてデジタルリノベーション、リスキニングを実施するドイツや日本での実際の事例、また同一賃金同一労働のオランダのパート経済が参考として挙がっていましたけど、別のアプローチも何か必要な気がしました。2023/09/22

tetsu

27
★3 最近の物価高でテレビの情報番組ではどこも節約方法やどこのスーパーが安いなどの番組を流している。多くの人がこのような情報求めているのだろう。まずこの発想を変えるべきと思う。 国際競争力が低下したとき、日本の多くの企業では、新しいイノベーションに向かうのではなく雇用を守るためコスト削減のための様々な工夫をしてきた。これが日本人の気質にもマッチした。 非正規雇用もコスト削減の一環として位置付けられている。人件費が上がるわけがない。 雇用の流動性確保や多様性を求める欧米との差が今の状況になっているのだろう。2023/11/25

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