内容説明
阿弥陀仏の極楽浄土に往生し、悟りをえて成仏を目指す浄土教。浄土宗、浄土真宗、時宗などの宗派が属し、日本で最も信者数が多い。なぜこれだけ多くの信仰を集めたのか――。本書は、教えの広がりを「物語の力」に着目する。衆生を救うため誓いをたて阿弥陀仏になった「法蔵説話」、家庭不和を主題とする「王舎城の悲劇」などの経典に描かれた話、法然や親鸞ら開祖の物語を読み解きながら、その思想の本質に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
68
無量寿経と観無量寿経て違うの?というレベルの私ですが、難しいところもあったけど、割と面白かった。この3つ、とかまとめ書きしてくれてるところがいい。 当麻曼荼羅の継子物語は後で作ったのですね。2024/01/02
HANA
68
大乗仏教の中で禅と共に日本の思想や文化に重大な影響を与えた浄土思想。本書は中国への伝来から日本の各宗派、そして近代に与えた影響などをわかりやすくまとめている。取り上げられているのは中国浄土教に源信、法然とその門下、親鸞と浄土教の歴史に沿っている為、思想の通史としても面白く読める。特に法然門下の諸思想、當麻曼荼羅との関係等はここで初めて教えられた。翻って近代は近角常観と阿闍世コンプレックスが記されているが、この辺だと清沢満之辺りからの近代教学が知りたいなあ。あと手塚の『ブッダ』は流石に蛇足だと思う。2023/09/28
Shoji
33
浄土宗、浄土真宗の教義や歴史、成立の過程の解説かと思って手に取った。少々違っていました。まるで、宗教学でした。あるいは、著者のスピリチュアリティの紹介のようでもありました。私には難しかったです。もちろん私の仏教の知識、読解力の低さに因るものです。どうやら私はまだまだ勉強が足らないようです。2023/11/06
みこ
29
タイトルで浄土教の内容解説かと思いきや、釈尊の教えが中国で浄土教となり、法然らによって庶民に広がるまでの解説。勿論、浄土教そのものの解説も含まれている。庶民に対して苦しい修行を課すことなく、普段の生活を送りながらでも念仏を唱え信心を忘れないことで仏は救いの手をアチラから(ここが大事)差し伸べてくれる、という分かりやすく馴染みやすい教えを物語を交えて伝えたことが、さらに後の親鸞らの手によって爆発的に広まった。2023/09/29
bapaksejahtera
22
浄土教は、浄土真宗(宗祖親鸞自身が宗祖と認識しなかった)を含めて、我が国仏教各派の中で、少なからずその宗教的命脈を保っている。著者はその理由の中心に、浄土思想の持つ物語性を置き、その観点で浄土三部経並びにその論書から始め、唐の善導、我が国の源信、法然、親鸞等の発心や宣教に於いて、夢や説話が如何に重要であったかを縷縷説いていく。物語は時代やその社会環境に応じて変化しつつ語られる物である事から、時には教説や解釈に変容を加えつつ現代に及ぶ。巻末に話題とする近角常観や清澤満之と歎異抄等についても知識を新たにした。2023/12/22
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