内容説明
2024年大河ドラマ「光る君へ」(主演・吉高由里子)の世界がこの1冊に!
紫式部の時代がわかる!
『源氏物語』のパトロンでもあった藤原道長。世界記憶遺産に認定された日記『御堂関白記』から、王朝の様子、権力の動きが明らかに。
※この電子書籍は、2013年6月に文藝春秋より刊行された新書版に「紫式部と『源氏物語』」の章を加えた新書増補版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
31
藤原道長の生涯を日記から解き明かす。時系列にまとめられているので、とても分かりやすかったです。天皇の外戚になり、地位を藩石にし、牽制をふるう野心家としての道長像が明確に描かれていました。摂関政治の頂点にまで上り詰め、権力を自らのものにしたとも言えますね。まさに権力を欲望のままに手にした人物なのですね。2025/03/15
鯖
22
道長の御堂関白記、行成の権記、実資の小右記の3つの日記を下に宮中政治を視る本。割とボッコボコに批判しまくるイメージの実資の小右記は生前から宮廷で広く読まれてたとか(…面の皮が厚いというか、みんな心が広いというか)、御堂関白記に刀伊の入寇についての記述はないとか、三条帝の東宮敦成親王の病状を実資が資平を使って探ると、その相手をしたのは「越後守為時の女」(=紫式部)だったとか、道長が死んだ日に行成がトイレに行こうとしてこけて死んだとか、知らんことばかりで面白かった。2023/10/03
サケ太
16
「この世をば……」。平安時代を代表する人物、藤原道長の言葉として聞いたことがあるこのフレーズ。藤原道長という男の生涯。彼の著した『御堂関白記』、側近行成の『権記』、実資による『小右記』を軸に、生まれ、成りあがっていく過程が描かれる。日記の重要性、紫式部の生涯、源氏物語の有用性、後援者についても記載されており、興味深い。絶頂を極めたイメージのある道長の心労さえも描かれており、彼の晩年は果たして幸福だったのかと想いを馳せてしまう。2023/10/27
MUNEKAZ
11
倉本先生の道長本。『御堂関白記』のほか、藤原実資の『小右記』や藤原行成の『権記』も参照することで、人間・藤原道長が立体的に浮かび上がる。いかにも権力者といった嫌なムーブも目立つが、同時に柔軟に朝議を司り、天皇の行き過ぎに物申せる人物として、実資ら批判的な公卿たちからも認められていたことが面白い。良いも悪いも含めて大物という感じ。増補された部分も興味深く、『源氏物語』執筆後の紫式部が実資と彰子を結ぶ取次役を行っていたとする。この辺は、今年の大河ドラマでも「秋山実資」と面白い絡みが見られるのかもしれない。2024/03/21
武井 康則
10
藤原道長の「御堂関白記」の読解を同時代の藤原実資「小右記」、藤原行成「権記」と合わせながら、道長を理解しようというもの。道長は創造性があるわけでなく、歴史の流れを変えることをしたわけでもなく、ただ貴族政治に順応でき、運が良くて子沢山だったということか。彼が摂関政治の頂点であり、言い換えるとその後、摂関家は衰え、武士の時代、家でなく、実力の時代に移行していく。それは何かというと悪霊が跋扈した時代でもある。紫式部についても一章を割いて果たした役割が書かれている。2024/08/16
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