内容説明
これは拒食と過食、両方を経験した私の十二年間の軌跡。
高校一年生の夏、母に連れられて行った心療内科で、「摂食障害」と診断された。当時の
身長は153センチ、体重は35キロ。しかし医者に診断されるまで、自分が病気だなん
て思いもしなかった。
やせ続けることは、私の正義であり誇りだったから――。
通院を始め、食べなくてはいけないとわかっていても、頭の中のもう一人の『私』が許さ
ない。『食べたら太る』『やせろ』と責め立てられ、ついに一日の食事量は水とカロリーバー一本に。
精神病院への入院を経て徐々に食事ができるようになるが、今度は強い過食衝動が起こり、七か月で体重が倍増する。
「空腹」も「満腹」も失い、大好きだった絵を描くことすらできなくなりながらも、自らと向き合い摂食障害になった理由を見つけ、食事へのこだわりを手放して自分らしく生きられるようになるまでを記した感動のエッセイ。
今日マチ子・装画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
60
【私が摂食障害になったのは、生き残るためだったのではないか……】高校1年の夏に「拒食症」と診断され、精神科病院へ入院し、過食症を逆転発症した著者が、何に苦しみ、何に希望を得て生きてきたかを記した12年間の記録。巻末に参考文献。<私の場合、食べることは恐怖そのものでした。食べ物を一欠片でも口に入れると、「太るぞ」と囁く「もう一人の私」の声が聞こえ、身体の震えが止まらなくなりました。症状が悪化すると、食べ物自体にも恐怖を感じ、母が用意してくれた食事を見ただけで取り乱して叫び声を上げるようになりました>と……⇒2024/12/18
nonpono
51
素人目線ですが、食べ物を見ていると聞こえてくる心の声は、統合失調症の幻聴として、食べなくてはいけないという強迫観念は強迫性障害の影を見てしまいます。「止まることが怖かったり、やることがなくなると、私には食べることしかの残されていない」というように頭の中が完全に「食べる」という行為に支配されています。「食べる」ことの恐怖や拒絶、会食へのアレルギー、積もり積もって「ドカ食い」で爆発する無限のループの中をぐるぐるまわるだけの人生。まさに虚しさがつのります。人間の極限にある欲求の影の部分が見事に照らされています。2023/06/19
わむう
29
小学生でも瘦せたい願望やヤセ信仰が根付いています。一口でも食べたら太ってしまう、胃の中に固形物があることが許せない、骨と皮だけなのに自分が痩せていると思っていない、体重が100g増えただけでどうしようもなく落ち込む。やがて著者は、なぜ体型と体重をコントロールすることにこだわり続けるのか自分自身の事を冷静に見つめることができるようになってきます。2023/11/13
亜希
26
高校生のとき自身も片足(と言っても足首くらいまで)を摂食障害に突っ込んでおり、当事者のブログや専門の医学書まで目を通せるだけ通していたため、特に新しい発見はなかったけれど、著者が「はじめに」に書いている通り、摂食障害の患者とその周りの人(特に家族)に、認識の”ズレ”を意識させるのには適切な一冊だと思った。1点、本筋から逸れるけれど、学生時代の友人の一人と後輩男子の言葉がただただ酷い。言わなきゃええやん、子供って時に引くほど冷酷だ。そんな言葉にも負けずに、著者がいま笑っていられて、本当に良かったと思う。2024/01/09
もけうに
11
あまりにも辛くて読めない…と思ったけれど、読んでいる内に、惹き込まれて止まらなくなった。著者が私の代わりに気持ちを的確に言語化してくれているようで、どこか救われる。食べることに対する罪悪感、「普通の人」はどうやって、どういう気持ちで食べ、そして適切に食べ終えるのだろう。自分より食べる量が少ない・食べ残しをする人への対抗心。空腹感とは違う、枯渇感。はやくはやくと焦り、キッチンを漁り、冷蔵庫の食材を見ては戻すを繰り返す、目の前にある食べ物を消してしまいたくなる。食べたいけど食べたくない。苦しい。2023/07/03
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