内容説明
曹操,劉備,孫権,諸葛亮など個性あふれる英雄たちの人間模様,官渡の戦いや赤壁の戦いなど知略の限りを尽くした手に汗握る攻防戦,そして道半ばで志を絶たれる悲運…….三国志には私たちの心を躍らせる魅力にあふれています.「群雄割拠」「軍師」「悲運」など様々な入り口から三国志の面白さに迫ります.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
この本の内容
はじめに
第一章 正史,演義が好き
陳寿の『三国志』
春秋の筆法
裴松之の注
『三国志演義』
日本の「三国志」の物語
映画やドラマ
さまざまな三国志
第二章 群雄割拠が好き
群雄割拠の楽しみ方
第一期
第二期
第三期
第四期
潼関の戦い
第三章 曹操が好き
志千里に在り
志を実現するための模範
乱世の姦雄
律令体制の原型
荀彧との決別
儒教と文学
人事の基準に
第四章 軍師が好き
『孫子』の兵法
曹操の注の特徴
白馬の戦い
官渡の戦い
第五章 呉が好き
江東の独自性
孫堅の二つの遺産
孫策と周瑜
江東との和解
赤壁の戦い
第六章 蜀が好き
劉備の出自と関羽・張飛
名士の役割と存立基盤
三顧の礼
関羽の仇討ち
第七章 悲運が好き
荊州出身者の優越
君自ら取るべし
出師の表
泣いて馬謖を斬る
秋風五丈原
おわりに
年表
主な登場人物
三国志 読書案内
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
15
陳寿の『三国志』には諸葛亮は三顧の礼を受けて出仕したと書かれている。『三国志』は劉備が天子であることを認め諸葛亮の忠を高く評価する史書なのである。これに対して、敵国の史書には諸葛亮は自分から劉備に接近し三顧の礼など受けていないと記すものもある。裴松之は三顧の礼を否定する史書を引用した上で諸葛亮の「出師の表」に三顧の礼が明記されていることに注意を促す。「表」は皇帝に提出する臣下の文章の中で最も公開性が高い。それに嘘は書けない。裴松之はこれを論拠に三顧の礼がなかったとする史書の記述を正しくないと判断する。2023/08/08
ジュンジュン
11
著者の伝えたいメッセージは明快だ→「老驥櫪に伏するも志は千里にあり」(かつての駿馬が年老いて厩に横たわっている。それでも志は千里の彼方を駆け巡っている)。少年よ、大志を抱け!若者向け新シリーズに相応しい一冊。2023/09/26
biba
7
「100分de名著」の三国志の時の渡邉先生の本でした。中学生向けとのことですが、三国志の入門書として大人の私にとってはわかりやすくてちょうど良かったです。まだまだ勉強不足なので、コツコツ三国志について学んでいきたいと思います。2024/08/18
あんどうれおん
7
三国志という巨大なジャンルへの入り口を整理し、いろいろな考え方で理解を深めていくための道しるべを泰斗が提示する一冊です。魅力いっぱいの物語をさらに楽しみたくなる優れたガイドブックと出会うことができました。岩波ジュニアスタートブックスというシリーズの存在にも感謝しています。2023/06/17
イカまりこ
7
岩波ジュニアスタートブックス。子供のためのレーベル?その割りに、なかなかの難しさだ。タイトル通り、これから三国志を好きになるんじゃなく、既に好きな子が更に好きを深める確認の書籍か。章題で私はここが好きだなと思って読むも、それ以外に興味持った。特に「曹操が好き」の章。蜀推しだったけど、曹操の成果をあげる政策は素晴らしいなと思った。また曹操の詩「老驥櫪に伏すも志は千里に在り」って部分を読んでる時、体調悪い引退馬のこと思ってたんだよね。そして同時にネイチャの訃報を知った。タイミングだよ…ネイチャ頑張ったね。2023/05/30
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