点・線・面

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点・線・面

  • 著者名:隈研吾
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 岩波書店(2023/08発売)
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  • ISBN:9784000240604

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内容説明

国立競技場の外壁は全国の杉の板で覆われた.今,私たちの目の前にあるのは小さな点や線である――.建築家は風通しのよい物のあり方を求め続けて,木や石,そして土などさまざまな物質との会話を繰り返し,ついに新しい世界の扉を開いた.未来を考えるすべての人のための方法序説.待望の書き下ろし.図版200点収載.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

方法序説
20世紀はヴォリュームの時代/日本建築の線とミースの線/構成のカンディンスキーから粒子のギブソンへ/ギブソンと粒子/主知主義対ダダイズム/運動としての時間から,物質としての時間へ/足し算のデザインとしてのコンピュテーショナル・デザインへ/ブルーノ・ラトゥールと写真銃/建築と時間/運動から時間を開放する/カンディンスキーによる次元の超越と埋め込み/相対的な世界と有効理論/建築の拡大と重層/金融資本主義のXL建築/建築の膨張と新しい物理学/進化論から重層論へ/超弦理論と新しい建築/ドゥルーズと物質の相対性

大きな世界と小さな石ころ/ギリシャからローマへの転換/点の集合としてのシーグラム・ビル/石の美術館の点への挑戦/点からヴォリュームへのジャンプ/ブルネレスキの青い石/ブルネレスキの点の実験/帰納法の建築/ブルネレスキとトビケラ/液体で点をつなげる/メタボリズムと点/木よりも細い石/日本の瓦と中国の瓦/点の階層化とエイジング/自由な点としての三角形/松葉の原理の成長するTSUMIKI/千鳥という点/線路の砂利という自由な点/離散性と倹約とフレキシビリティ

コルビュジエのヴォリューム,ミースの線/丹下健三のずれた線/線からヴォリュームへと退化した日本建築/木の小屋からの出発/ガウディの線/点描画法/熱帯雨林の線/モダニズムの線と日本建築の線/伝統論争と縄文の太い線/移動する日本の木造の線/芯おさえと面おさえ/広重の夕立の細い線/夕立の建築/線の自由とV&A.ダンディ/生きている線と死んだ線/生と死の境をさまよう線/限りなく細いカーボン・ファイバーの線/富岡倉庫の絹のような線

リートフェル対クレルクト/ミース対リートフェルト/サハラで出会ったベドウィンの布/ゼンパー対ロジエ/フランクフルトの布の茶室/ライトの砂漠のテント/大樹町の布の家/災害から人を守るカサ・アンブレラ/フラー・ドームと建築の民主化/テンセグリティで地球を救う/細胞とテンセグリティ/800年後の方丈庵
おわりに
参考文献
図版出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

67
隈研吾さん。地元の市立図書館を設計されているので、身近に感じている。この本を読んで、あのデザインの意味・意図がわかった。まさしく、木を使い、線を使い、空間を創る。柔らかさというのか、温もりというのか、そんな感じを受けている。そんな建築の方法論などを述べた本。ある意味、哲学書なのかとも思う。2021/09/10

榊原 香織

65
こんなに難しいこと、面白いことを考えて建物を作っているのか。 量子力学まで出てくる。かと思えば、トビゲラやナマコに学んだり。 軽やかさを目指す建築は、空気や水を材料とする。どこまで行くんだろう、この方は。2022/04/17

魚京童!

20
とても示唆に富んでいた。標準化することによって、個性は失われ、同じものができる。それでいて、私はあなたとは違う。そんなことを言い張っている。何ができるのかを証明する手段がなくなり、私は私でなくなった。今後はAIが考えるようになるのだろう。昨日までグーグルに聞いていた。そういうことなんだろう。私が私であることがなくなる。私は私でなくなるのだ。そうしたら私はなんなんだろう。そこに生きる木と同じになってしまう。何が違うのだろうか。何も違わない。世界をどこで見るか。見分けるか。誰が見るのだろうか。ゲシュタルト崩壊2023/04/30

小木ハム

16
日本を代表する建築家の一人である著者は、ボリューム(量塊)を点・線・面に解体して風通しを良くし、人と物、人と環境、人と人をつなぎ直したいと考え、仕事と向き合われているそう。人間は「面」だけの空間にいると自分の位置がわからなくなり不安になる、だから点を配置するというのはなるほどなと思った。だだっ広いだけの部屋って居心地悪いもんね。日本の伝統木造建築の柔軟さについては宮大工の西岡常一さんの本である程度知っていたけど、そもそも地震の多い日本では、そうしなければ生き残ってこれなかった、自然淘汰の結果なのだと思う。2023/07/30

とびを

14
数学をやっている人からするとちゃんと定義した方がしっくりくるんだけど、ダウンタウンの松本さんが漫才の定義の話をしている感覚に似ているなって思った。2021/01/01

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