内容説明
全米リバタリアン党は「医療の国家からの完全分離」を主張。「医療の自由」を掛け声にリバタリアンとトンデモ民間医療と反ワクチン活動家が結集し、コロナ禍に向かった先は……健康や安全は個人の問題なのか? 日本にとってもシミュレーションとなるかもしれない、笑ってばかりはいられない話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
25
うーん、恐ろしい。これが自分の信念を発する自由、という権利の行きつく先か。医療がビジネス化していくと、医者は既得権益を守るため医者数を増やさず、医療費は高くなり、効かない薬も増えるようになる。そうやって医療への不信が高まると代替医療が求められてくる。そこに「レーザー」「漂白剤」「ヒル」「信仰」などのトンデモ医療がはまる。提供側が治ると信じているものに、受ける側が治ると信じることを誰が止められるのか。これを見るとアメリカ人が数字にこだわるのもわかる。欲が過ぎると暮らしにくい。自由はすべての解ではないのか。2024/05/18
かもすぱ
10
前作『リバタリアンが社会実験してみた町の話』に続くノンフィクション。代替医療師たちの群像劇。魔法のような経験「唯一真実の治療法」をお裾分けしようとした人々が、悪意なく(適切な知識も無く)、科学的な治療から逸脱して、商売的にも一時的にうまくいってしまった顛末。ハーブ・癒しの光レーザー・酸性度・信仰・ヒル治療などがどんどん出てくる(ヒルの人はまだマシ)。リバタリアン要素と反ワクチン要素は終盤のみ。読み進めていくにつれてグレイトアメリカに頭抱える。医療の自由と制限・介入のバランスは本当に難しい話だと思った。2024/02/21
ボンタンパンチ
6
アメリカの代替医療問題の現在を描くノンフィクション。著者の前作より問題意識がまとまっていて読みやすかった。それぞれの「唯一真実の治療法」はおかしく笑えるが、それらがもたらした結果の悲惨さは言葉にできない。そして「唯一真実の治療法」がここまで蔓延ったのは、対する「まっとうな医療」側の怠慢にも落ち度があるとする著者の指摘は鋭い。アメリカの医療の今後が憂慮される。2024/08/13
りりあん
4
☆32025/03/16
P-man
2
前作(タイトル長いので書きませんが)がおもしろかったのでこちらもと読んでみたところ、前作を超えるトンデモなアメリカを垣間見た……いやスゲーわ。アメリカ人がコロナでなぜ大勢死んだのかも、トランプがなぜ陰謀論者に人気があるのかもわかったし、この馬鹿を再選させてまためちゃくちゃになってる今のアメリカはまたもや「地に落ちた」んだな……。そしてリバタリアンと違ってこの代替医療は日本でも似た商売はいくらでも見るし、後半になるにつれて真顔になって背筋が冷える。でもリバタリアンはほとんど関係ないのになんで邦題に入れた?2025/04/15
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