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内容説明
歴史の本質に正面から迫る――歴史はどのような時に動くのか、歴史は繰り返されるか、日本史の特徴は何か…など、歴史の本質に正面から迫る本格対談。職場で上司・部下の関係にある二人は、膨大な知識と教養を持ちながらも、それに拘泥することなく、また狭いタコツボに逃げ込むことなく縦横無尽にユーモアを交えて語り合う。今に活かす「教訓としての歴史」も、堅苦しさを除外した「楽しめる歴史」も本書にはある。付録として、二人がすすめる書籍を掲載。歴史のおもしろさを味わいながら、豊かなミカタが身につく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
52
私事で恐縮だが、中学校の歴史の授業はノートも取らずに、高校の日本史は非受験科目として睡眠学習の時間に充てていた。そのために手酷いブーメランに遭ったのは笑い話だが、自分は日本の歴史の面白さを分かっているというのは、確信に近いものがあった。その頃刊行されていた日本歴史全集や吉川英治の『太閤記』を繰り返し読んでいたからである。高校の日本史はそれらとは真逆で、歴史事象に関わる年号と組織と人名の記憶が主で、近現代などは数枚のプリントが充てられていた。今こうして歴史のミカタを力説する本書を手にしながら、高校の日本史→2021/07/07
みこ
29
井上章一氏と磯田道史氏による歴史対談。見方というより楽しみ方といったところ。色々な見方や楽しみ方があって良い。入り口はゲームや漫画でも良い。表面的でなく深く掘り下げ、その時彼らがどんな心境だったかに思いを寄せる。過去に起こったことの研究だけど、それでも新しいことがどんどん分かる。人物像もその時代によって評価が変わる。だからいつまでも楽しめる。2021/08/13
さきん
27
日本史と西欧史の共通性は梅棹忠夫氏の生態史観と同じで自然環境の影響が大きい。歴史が動く大波というのも、気候要因は相当ある。お人よしの信長、恐怖が動かす戦国史、時代で評価が変わる歴史人物などおふたがたの楽しい対談が続く。磯田さん本がまた一冊増えてしまった。2021/11/23
てん
24
本屋さんで見かけて、つい衝動買い。「京都ぎらい」の井上章一氏と「武士の家計簿」の磯田道史氏が歴史について縦横無尽に語っているらしい。面白くないはずがない。と思った。面白かったが、お二人があまりに博覧強記で話題が縦横無尽すぎて、ついていけないところもあった(笑)しかし、学校で学んだ授業の歴史の見方、解釈はひとつの説にすぎないと感じることができて、それだけでもよかった。次は本郷和人氏と井上章一氏の対談「日本史のミカタ」を読みたい。本郷氏がタジタジとの評もみたことがあるが。2021/09/21
まさにい
21
二人の歴史の碩学者が、縦横無尽に歴史を話している。本の最初の頃は少しぎこちないが、中盤辺りからは調子が出てきたみたいだ。縦横無尽に話してはいるが、その中心的主題はまさに歴史の観方(ミカタ:表題通り)である。もっと自由に寛容に歴史を見るべきだと考えているのだろう。もちろん何の根拠もなくかってな因果関係を作るのは当然否定しているが。たぶんこの二人学会では苦労しているのかもしれない。学者ほど寛容から外れた人は多いのだからね。2021/08/15