内容説明
暗い。重い。でも、絶対に読んでほしい。孤独の中に、光を求めて生きる、少女たちの姿を描いた、傑作YAアンソロジー。表題作の「翼をもたない私たちは、それでも空を飛びたかった」を含む、三編の短編を収録。中学生~一般成人向け。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩灯尋
11
内容が重ための短編集。2作目のヤングケアラーの話で自分の将来と重ねて泣いた。決して物語のストーリーだけではなく、いつ自分に降りかかってもおかしくない現実。誰が悪いと言えない現実にどんどん追い詰められていく様子がしんどくなった。ほんの少しでも幸せに向かうことができるよう願うばかり。2025/04/17
ヨシ
10
3編の短編でできているこの本は、魅力的な題名·orieさんの透明感のある絵·今時のブロック体の文字というYAの王道をいくものであるが、内容は決して軽いものでもお涙頂戴ものでもなく、がっつりと重めである。現在社会的問題になっている自傷·ヤングケアラー·不登校という3つの問題を正面から取り上げ、安易な解決に走らずに、主人公たちがふみだす新しい一歩を静かに見つめた。みんな同じ人間だから仲良くしよう、と言っているうちは何もできない。みんな違う人間だから違いを認め合っていくことが大切なのでは。2023/12/29
飲も飲も
3
自傷行為、PTSD,ヤングケアラー、不登校など様々な問題に直面した少女たち。それぞれ空を見上げることを決意し一歩踏み出していく。とてもよかった。2023/10/06
くま美
2
3人の作家によりる3編のアンソロジー。自虐行為、ヤングケアラー、不登校、現代社会のかかえるYAの問題を丁寧に書かれいてる。辛くて、重たくて、しかし、少女たちが希望を見出して大空へ羽ばたいていける姿に救いがある。3つ目の「わたしは、わたしの色で、わたしを描く。」合唱を御子柴先生が、違った目線で少女に語りかけるシーンは、同調圧力を良しとする事に一石を投じていて、少女の心に響く。(P248)紹介しなくても、表紙がorieさんなので、手に取りやすいかな。2024/05/13
みゃーの
1
ヤングケアラーの話は心が痛くなった。解決策を提示される終わりではなかったけど、希望がある終わり方だった。2024/10/21