内容説明
ホラー作家・最東対地は、大阪の夜凪を舞台にしたホラー小説を書こうとしていた。夜凪とは大阪の五つある色街のこと。取材に訪れた椿夜凪で梅丸という遊女の噂を耳にする。梅丸は複数の夜凪に出没する美貌の女で、血なまぐさい噂がつきまとう。最東は梅丸の謎と夜凪に潜む怪談を集めはじめるが、梅丸の話を新たに収集するたびに、ある不思議な感慨を覚える――。今村昌弘氏、織守きょうや氏、清水朔氏、額賀澪氏、各氏大絶賛!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりすけ
20
最東さんと言えば、話は面白いのに文章が…と言うイメージがあったのですが(失礼な!)出たら必ず読んじゃう作家さん。それが今作は、ところどころ…の残滓はあるもの巧くなっててびっくり。ちりばめられた小ネタ?にも「おお」。個人的にモキュメンタリー系が好きなので、こういう作品を書いて行っていただきたいです。2024/04/17
ユウハル
8
何が真実でどこが虚構なのか… もう訳がわからない。 私の知ってる最東先生は本物なのだろうか。2023/09/02
Nori
4
冒頭にある通りモキュメンタリーによるホラーミステリ。架空の作家が出てくるけど、完全に元ネタの人物が分かってしまうというか、元ネタの人たちが本作推薦しているし。それもあってか非常に現実とフィクションの境界線が読みながら曖昧になっていく。最初にちゃんとフィクションてあるけどそれすらも疑いたくなるほどクオリティが高い。最東さんちゃんとこれからも新作出ますよね??2023/11/03
マグマグマッグ
3
初めの方はつまらないなと思いながらダラダラと読んでいたが、中盤以降からどうなるのか気になってしまいすぐに読んでしまった。 題材的に吉原などの性風俗店を物語の起点とした作品で派手なホラーじゃなくてゾクリとするようなホラーだったので、私の好みだったが人によっては物足りなさが否めない作品だと思う。2023/11/20
むまもめむ
3
怪談を集めていく作家本人の周りで奇怪な出来事が起きはじめ、次第に本人にも忍びよってくる、というタイプの物語をいくつか読んだことがあるけれど、いまいち物足りない読書体験だった。 理由はおそらく、読んでいる側を当事者にさせるような感覚が薄かったからかもしれない。 性風俗については、コロナ禍に振り回される状況を気掛かりに感じているけれど、直接関わった経験がない。だから、怪異に取り込まれる男性たちを、自業自得だろうと対岸から眺めるような感覚だった。『夜凪』は実在しそうな雰囲気に溢れていた。